息子が幼いと悩む親に伝えたい「2つの視点」 自発的に動かない子に親ができること

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まず、ここでいうチューニングとは、相手の水準に合わせるという意味で使っています。この記事では、大人が子どもの水準に合わせてチューニングをできるかどうかという話になります。

実際には、次のような3つのパターンに分かれています。それは、「チューニングができていない状態」「チューニングはできているものの、レベルアップまではさせられない状態」「チューニングして、その後レベルアップまでもっていける状態」、この3つです。

【パターン1:チューニングができていない状態】

これは、親が子どものことを十分に考えずに、自分の考えのみで暴走したり、独善的に進めたりしてしまっている状態です。子どもの指導でいえば、知識も経験も豊富な指導的立場にある教師などの大人が、そうした知識や経験がない子どもたちの水準に合わせることができずに、ちぐはぐな対応をしてしまうというものです。

大人が子どもの水準にうまくチューニングで合わせることができると、「共感」「共鳴」「同調」が生まれ、子どもも安心感や安定感を得ることができるのですが、それができていない場合が少なくありません。典型的な例では、親御さんが子どもの目線や気持ちになって対応しない、子どもの考えと違うことを平気で強要する、といったことなどです。

子ども好きな人が陥りがちなパターン

【パターン2:チューニングはできているものの、レベルアップまではさせられない状態】

2つ目は、子どもの目線や水準、考え方に合わせることはできるが、寄り添うだけにとどまり、よりよい状態に子どもを引き上げることはできないというものです。子どもが好きな人や指導することが好きな人は、子どもに合わせすぎて、こうしたパターンに陥りがちです。

確かに、子どもにうまく合わせることができ、日々の対応もスムーズだったりするのです。しかしその後、その水準のままで、子どもを引き上げることができないことがあります。親子関係でいえば、次のようなケースをよく見掛けます。

大人である親は、子どもほど肉体的にも精神的にも成長はしません。成長率でいえば、子どものほうが圧倒的に高くて当然です。背が高くなるなどの肉体的成長は目に見えるので変化がよくわかりますが、表に現れない内面的な成長は気づきにくいものです。

子どもが小さいうちは、子どもの目線で話し、子どもにわかりやすい言葉を使いますね。しかし、子どもは親と違って急速に成長しているにもかかわらず、親は、いつまでも子ども扱いをしてしまいがちです。時間とともに子どものレベルと乖離し、時に親子の間で軋轢が生じます。極端な例でいえば、子どもがすでに中学生になっているのに、相変わらず親の対応が幼児期と変わらないという場合があります。

たとえば幼児期に親が子どもの予定を管理し、翌日の準備をして、手取り足取り世話をしていたが、それが中学生でも続いているなどはその典型例です。子どもに対しては、自分のことは自分でやれるように、年齢に合わせて自立させていかなければなりません。しかし、実際はそうなっていないことがあります。

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