トランプ政権のメディア対応は特殊じゃない 過去の大統領もメディアと確執あった

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米国の株式相場はトランプ大統領の政策のいいところばかりを見ている面が強い。インフラ投資、減税、規制緩和など株価に追い風となる材料に反応している。メキシコ国境の壁の建設、移民排斥、中国との通商問題の深刻化などといった「負」の側面はあまり材料視していない。

だが今後、関税障壁の構築などを通じて中国などとの貿易摩擦が生じるといった事態になれば、株価にも悪影響を及ぼすだろう。中国もなんらかの報復措置を講じることが考えられる。

ドル円は今後どう動く?

――日本のマーケットでは円高進行への警戒も根強い。レーガン政権下でのプラザ合意にいたる過程を想起させるとの懸念もあります。

レーガン政権との比較は考えたことがなかったが、確かにいくつか当時と類似点がある……。

ここで、2つのことを指摘しておきたい。日本にとって弱い円は大事。小泉政権や安倍政権は円安が原油高や賃金コストの上昇を通じてインフレをもたらすような政策を志向した。日本経済がインフレを必要としているからだ。

一方、米国はどうか。トランプ大統領は今のところ、矛盾したメッセージを発している。中国が為替操作をしていると批判するが、米国のムニューシン財務長官も強いドルの必要性を訴えている。

通貨に関しては、さまざまな「ノイズ」があるが、プラザ合意のような新たな協定の締結には至らないと考えている。私の予測ではドルが現在の水準をほぼ維持する一方で、円は多少弱くなる。それがトランプ大統領の求めている方向だろう。

トランプ政権が椀飯振る舞いをすることで景気拡大ピッチが加速。それに伴って金利が上昇、ドルも値上がり。それが日本にはいいシナリオだ。同政権の政策が議会の承認を得られず、通商問題が浮上するというのが悪いシナリオ。今は状況を見守っている段階だ。

松崎 泰弘 大正大学 教授

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まつざき やすひろ / Yasuhiro Matsuzaki

フリージャーナリスト。1962年、東京生まれ。日本短波放送(現ラジオNIKKEI)、北海道放送(HBC)を経て2000年、東洋経済新報社へ入社。東洋経済では編集局で金融マーケット、欧州経済(特にフランス)などの取材経験が長く、2013年10月からデジタルメディア局に異動し「会社四季報オンライン」担当。著書に『お金持ち入門』(共著、実業之日本社)。趣味はスポーツ。ラグビーには中学時代から20年にわたって没頭し、大学では体育会ラグビー部に在籍していた。2018年3月に退職し、同年4月より大正大学表現学部教授。

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