「尾崎牛」のグローバル化が映す和牛の危機

価格高騰と飼育者減の間で悩む

おいしい牛を育てるには…(写真:筆者撮影)

通常、牛は牛舎につながれたままですので、今、何を欲しているのか、調子はどうなのかに気づくように牛の細部を観察することが、おいしい牛を育てることになるからです。手をかけなければ子牛として売買するまでに至らないことを考えると、1戸当たりの大幅増加は見込めません。

熟成肉ブームに起因して…

3つ目の理由は、肉用牛を産む肉用牛の雌牛の減少になります。2010年を境にピークアウトし、減少傾向にあります。2016年に前年対比、1.5%上昇していますが、2010年対比だと、14%減少しています。減少に拍車をかけたのが、2013年にアメリカ牛の輸入規制緩和による熟成肉ブームに起因しています。アメリカのステーキハウスの日本参入により、熟成牛としてブームとなり、まだまだ妊娠可能性のあった、雌牛を熟成肉用として一部売却してしまいました。したがって、雌牛の増加の兆しをみせるにはまだまだ時間がかかります。

次ページつねに狂牛病と口蹄疫の問題が身近に
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 非学歴エリートの熱血キャリア相談
  • ブックス・レビュー
  • 最新の週刊東洋経済
  • トクを積む習慣
トレンドライブラリーAD
人気の動画
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
銀行員の出世コースに見られ始めた大きな変化
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT