シングル母は「介護業界」にズタズタにされた 「唯一正社員で働ける業界」のはずが…

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彼女は2度結婚に失敗している。10代でできちゃった結婚して、33歳で離婚。離婚理由は旦那の浮気とギャンブル、子どもが高校を卒業するまで毎月養育費はもらえた。離婚をキッカケにヘルパー2級を取得、13年前に大手有料老人ホームに非常勤介護職として入職する。

「介護を始めたキッカケは、子どもにちゃんとした姿を見せたかったから。安定する介護の現場で働いて、子どもをちゃんと育てようと思った。でも、介護がこんな危険な世界とは夢にも思わなかった。今回も含めていろいろな失敗をしています。本当にひどい業界です」

介護は深刻な人手不足が延々と続いている。リーマンショック以降、厚生労働省の雇用政策によって失業者が介護現場に誘導され、昨年からは法務省が主導する刑務所出所者を介護職にするプロジェクトも始まっている。介護保険によって素人経営者が集い、雇用政策によって社会から弾かれた人材が集められ、著しい質の劣化が進むのが現在の介護現場だ。

篠崎さんは有料老人ホームで頑張って介護をした。38歳のとき、同僚の年下の介護職と職場恋愛、妊娠する。再婚、出産となった。そのとき産まれたのが、現在小学3年生の子である。

「出産でホームは退職した。育児しながら、近くのスーパーで短時間のパートです。出産してから、旦那の浮気がすごくなった。介護の世界は不倫がすごくて、男も女も旦那がいようが奥さんがいようが、すぐ肉体関係になる。夜勤中にやっちゃったりとか。旦那が休憩中、職場の同僚とラブホテルに行っていることを人づてに聞いた。ホームの向かい側にラブホテルがあって、そこにホームの女の子と。不倫カップルは私が在職中も何十組も見たし、もうムチャクチャですよ」

介護現場の不倫は、どこでも耳にする話だ。特に24時間営業の居宅型の施設は時間が不規則、職員たちの生活は閉塞する。多くは家庭もうまくいかなくなる。つねに一緒にいるのは同じ施設の同僚で、ほかに出会いはない。閉じられた中で、恋愛関係になりやすいのだ。不倫で慰謝料を請求される可能性があることを知らない職員も多く、とにかく乱れた関係に走りやすい。

「ひどかったのは離婚調停中に、旦那とホームの男性職員たちとのハメ撮り写真交換が問題になったこと。休憩中に女性職員とラブホテルに行くのがホームの男性の中ではやって、ハメ撮り写真を撮ってメールで交換みたいなことをしていたみたい。ゲーム感覚で過熱して、最終的にひとり女の子が自殺未遂して騒ぎになった。人手不足だからそんな問題を起こしても、誰もクビにならない」

浮気が発覚してから夫がキレやすくなった

介護職の夫の浮気、不貞行為が発覚したのが結婚3年目。子どもが2歳のとき。そこから家庭での壮絶なDVが始まった。

「最初はメールを見ちゃった。夜な夜ななんかやっているので、見たら、女の子とお風呂に入っている裸の写真で。彼に聞いたら、浮気ってわかった。その子を連れてきて、と話をしたら逆切れ。“はあ? てめえ、俺が謝っているのに何様? てめえ、なんだよ、その態度”って始まった。子どもが小さかったから危険と思って、その場でやめたけど。そこから日々の暴力が始まった」

浮気が発覚してから夫はキレやすくなり、すぐに暴力を振るうようになった。成人した前夫との子どもが家に遊びにきたとき、夫が突然暴れたことがあった。

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