糸井重里社長「上場後の楽しみは優待と総会」 上場したほぼ日、「ポスト糸井」も課題に
――上場後に配当を増やすとか株主優待をどうするのか考えていますか。優待は「ほぼ日手帳」がいちばんありそうですが。
増配はともかく、株主優待については鋭意、ものすごく考えている。ただ、(株主になる人は)手帳はたぶん持っていたりする。何がいいんだろうと考えると、「あいつら何するかわからない」というところがちょっとないとつまらない。「今年はこういうことをしたんだ」って笑っちゃうようなことがしてみたい。株主が怒らないようにと考えながら、「笑っちゃうような」というのが落としどころ。それこそが自分たちの仕事だと思っている。
――株主も最初は株価だけ見て入ってくる人がいるかもしれないが、ほぼ日のファンに変えてしまえるようないろんな仕掛けを、ということか。
優待はすごく楽しみにしている。優待だけじゃなくて、株主総会をどうするかというのも、僕のこれからの楽しみです。
ギャラを払わなくても、出てもらえる
――大株主を見ると、3位にフィールズ(東証1部上場の遊技機企画・開発会社)の山本英俊会長の名前がある。山本さんはほぼ日の社外取締役でもあり、糸井さんもフィールズの社外取締役だ。同社は円谷プロを買収するなど知的財産ビジネスを打ち出し、ほぼ日と何となく通じるところもあるが、会社どうしの連携は?
それはない。ですが、コンテンツが大事だってところが重なってきている。コンテンツがなかったら何も始まらないということについての本気度は、フィールズも自分たちも同じ。ほぼ日の特徴は、コンテンツの仕入れがものすごく得意なこと。あの人はなかなか出てくれないという人でも、ほぼ日だったらいいとか。「場」が信頼されているのだと思う。
――ほぼ日がコンテンツを得意にしているという、いい例は?
一例として、アンテナショップといえるTOBICHI(本社にほど近い、東京・南青山の店舗・イベント会場)では、人間国宝で文化勲章受賞者でもある染織家の志村ふくみさんの展覧会を何度も開催している。会場はアパートを改装したような狭い小さいところだが、そこでやってみたいといってくれた。
「ほぼ日刊イトイ新聞」の登場人物や対談相手の方々も、外国人から日本人まで含めて、よく出てくれたねといわれるような人たち。よその人が同じことをやろうとしてもできないと思う。
――ひょっとして、その方々にギャラは払っていない?
ないんですね(笑)。
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