企業の業績で基本となるのは、いうまでもなく売り上げ(売上高)だ。ここを継続的に伸ばしていくことが企業経営の基本であり王道といえる。ところが、そんな売り上げを思うように伸ばせず、逆に減らしてしまうこともある。需要の減退、競争激化、外部環境の変化、事業の切り売りなど、さまざまな要因がある。
東洋経済オンラインは10年前からの売上高減少額に着目して「過去10年で売上高が減った500社ランキング」として2月23日配信記事で紹介したが、今度は減少率を基準としたランキングを作成した。
『会社四季報』(2017年新春号が発売中)で集計しているデータを活用した。直近本決算までの実績をベースにしており、10年前と比べての売上高減少率が高い順に上位500社を並べた(原則として連結ベース、単体決算企業は単体の数字)。直近決算の売上高と、10年前の売上高、従業員数も記載した。なお、連続性の観点から10年前から同じ会計基準を続けている企業に絞って集計している点を留意されたい。
上位7社は10年前からの減少率が9割超
1~7位の10年前比売上高減少率は9割超に上った。かつて手がけていたビジネスの大幅な縮小に直面している企業が多い。
1位のRISE(減少率98.4%)は1947年に水道工事会社として設立。現在は不動産賃貸、宅地分譲を主力とする。かつては、不動産ファンド組成を熱心に手掛けていたが、米国金融危機の影響による不動産市況悪化の影響を大きく受けた。
2位のクリムゾン(同97.1%)は量販店や専門店向けのカジュアルウエア卸が主力。自社ブランドによる製造小売り(SPA)も手掛ける。主力はハワイのブランドをライセンス展開する「RUSS-K」(ラス・ケー)。他のライセンスブランドに「ピコ」などがある。
3位のランド(同96.4%)は「ランドシティ」シリーズを有するマンション開発業者。横浜と多摩東部を地盤とする。2005年に旧ジェネラスのマンション事業を一部継承したJADを子会社化。不動産事業を縮小しながら、老人ホーム事業を主柱とした体制へ再構築を進めていたが、有価証券報告書の虚偽記載疑惑で神奈川県警が捜査、2013年には老人ホーム事業を売却し撤退している。
10年前と比べて半分(50%)以上も売り上げが減っている会社は108社。同3割以上は259社、2割以上は同403社だった。上場企業といえど10年前から売上高を2割以上減らしている会社は1割以上に上るということだ。特に人口減や少子高齢化の進む日本の内需を主体としている企業にとって、収益を伸ばしていくのは簡単ではないことを示している。