売れっ子芸能人が相次ぎ引退している理由 「有名税」が高くなりすぎている

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それでも、以前までは芸能人という地位に就くことには大きな魅力がありました。テレビを見ている人たちも、彼らに素直にあこがれの目を向けていました。しかし、最近は事情が違います。芸能ゴシップに力を入れている『週刊文春』の報道が大きく注目されていることからもわかるように、近年では芸能ゴシップへの人々の関心が高く、芸能人はつねに好奇の目にさらされています。売れていればいるほど、マスコミや一般人による監視の目は厳しくなります。

さらに、現代ではツイッターをはじめとするSNSなどでも芸能人の目撃情報などが共有されるようになり、「芸能人の○○を△△で見かけた」というような情報がウェブ上に公開されると、あっという間に拡散されていきます。芸能人やその事務所がこれらをすべて防止することは不可能です。

漠然とした不安が広がっている社会で

スキャンダルに対する人々の目もだんだん厳しくなっています。高度経済成長がとっくの昔に終わり、未来に希望を持ちづらい時代になってきました。将来への漠然とした不安が広がっている社会では、人々は自分の未来を追いかけるよりも、先を行っている人の足を引っ張ることにとらわれがちになります。

芸能人にまつわるスキャンダラスな報道は、富と名声を得ている(と思われる)スターを地の底に引きずり下ろすためのゲームと化しています。だからこそ、芸能人同士の不倫など、本来ならば当事者以外には何の関係もないようなことでも世の人々は大げさに騒ぎ立て、バッシングの嵐を引き起こします。その結果、ターゲットになった芸能人は必要以上に精神的に追い詰められていくのです。

一昔前までは、テレビに出ている芸能人は一般人にとって手の届かない存在でした。情報が制限されていたからこそ、人々は芸能人に対して素直にあこがれを抱くことができました。今は事情が違ってきています。芸能人が直接ブログやSNSなどで情報を発信するようになったことで、彼らと一般人の間の距離がグッと縮まりました。

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