かつての「電線御三家」、なぜ今絶好調なのか

「作れば売れる」光ファイバーが牽引役に

光関連といってもさまざまな製品がある。ざっくり言えば、光ファイバーの前工程である母材製造(ガラス管)に始まり、光ファイバー、それを束ねた光ファイバーケーブル、海底光ケーブルなど長距離送信の時に途中で増幅に必要な光アンプ(アクティブデバイス)、データセンターが受発信する時に必要な光トランシーバ、デジタルコヒーレント用光デバイスなどがある。

光ファイバーの世界シェアトップ3は、米コーニング、伊プリズミアン、そして古河電工だが、「最近は中国勢が低価格で攻勢をかけており、世界シェアは変わりつつある」(業界関係者)というのが実態だ。

日本勢が強さを発揮

古河電工が世界シェアトップのITLA。光ファイバーの伝送性能を向上させる(写真:古河電気工業)

しかし、光ファイバーの前工程を含めた生産性や曲げに強いなど光ファイバーの品質、光ファイバーをケーブルにまとめ上げる技術、さらにデータセンター向けの大容量通信に対応した光関連のキーデバイスでは日本勢が強みを発揮、高いシェアを持つ。光信号の光源、増幅、分岐などで光デバイスが使われるが、レーザーダイオードモジュールやスプリッタなどで高品質な製品を供給している。

フジクラの光融着接続機。こちらも世界シェアトップだ(写真:フジクラ)

デジタルコヒーレントは、光ファイバーの伝送性能を飛躍的に向上させる技術だが、そこに使われる光部品の波長可変レーザーモジュール(ITLA)では古河電工が世界シェアでトップに立つなどレーザーモジュールに強い。また、フジクラは光ファイバケーブルの接続で必要な「光融着接続機」で世界シェアトップ。住友電工は光トランシーバなど小型・高集積技術で先行、100Gbpsの光トランシーバでは世界シェアトップだ。

ただ、技術は日進月歩、次々に新しい技術開発が行われており、あぐらをかいている暇はない。海底ケーブルなど長距離(幹線600キロメートル以上)は100Gから400Gへ、メトロネットワーク(データセンター、都市間などの中距離10~40キロメートル)では10Gから100Gが主流となる見通しで、高出力、狭線化、高機能集積などが求められている。

住友電工の100Gbps用光トランシーバ(写真:住友電気工業)

たとえば光ファイバーをより細くして、一本のケーブルにするローラブルリボンケーブルは、4心、8心、12心から、さらに「超多心」へと次世代ケーブルの開発競争が展開されている。細径ファイバーで高密度化する技術だけでなく、それを接続する技術も必要になってくる。こうした技術力はいまのところ日本勢が一歩リードしている。

次ページ中国で高速・大容量化が進む
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 山本シンヤが迫るクルマ開発者の本音
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • CSR企業総覧
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
ソニーとパナソニック、10年で大差ついた稼ぎ方
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
会社にとって「一番お荷物になる社員」5つの条件
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
15種類の「書き方」を徹底解説<br>無敵の文章術

ビジネスパーソンを中心に文章力の必要性が高まっています。在宅勤務における情報伝達手段として、メールやチャットは不可欠に。また精度の高い企画書はビジネスの成功に直結します。本特集ではシーンや目的別に、短期間でのスキル向上を目指します。

東洋経済education×ICT