キヤノン、「デジカメ不振」に苦しむ 中国など減速で、通期予想を下方修正
レンズ交換式も失速、景気の影響受ける
デジタルカメラの年間の販売計画は、コンパクトカメラを1400万台(従来計画は1450万台/前年同期は1830万台)に見直すとともに、レンズ交換式カメラも900万台(同920万台/同820万台)に下方修正した。
スマホの普及でコンパクトカメラの市場縮小が続く一方で、新興国を中心に一眼レフのユーザー拡大を見込んでいたが、レンズ交換式カメラも見直しに迫られた。
記者会見した田中稔三副社長は「レンズ交換式カメラは世の中の景気が悪くても強い需要があると説明してきたが、欧州と中国が伸びない中で、在庫が溜まり始めた。また、安いものが求められ、これまでのように新製品が飛ぶように売れる状況ではない」と述べた。
また「欧州の景気低迷が続くことはある程度想定していたが、中国市場は計画に対して誤差がある」と指摘。中国市場は高価格の一眼レフが好まれる巨大市場と想定しているが「景気が少し悪くなってきていて、カメラの売り上げが最初の計画に比べて落ちてきている」と語った。
一方で「中国の景気は下期のどこかで回復してくる」と強調。最大商戦期の年末に向けて、価格の高い一眼レフの新製品の売り上げ比率を上げながら、下期の利益水準を高めていく意向を示した。
年間のコストダウン計画は、500―600億円(従来計画は800億円)に下方修正した。工場の自動化・内製化による生産効率化でコストダウンを図っているが、生産数量が伸びないために効率化の効果が見出しにくくなっているという。