極右と安倍首相の親密関係こそ問題の本質だ 森友学園問題を欧米メディアはどう報じたか

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記事は、幼稚園の籠池泰典園長(森友学園の総裁・校長も兼ねる)が、国家主義的ロビー団体「日本会議」の大阪支部長であることから、日本会議にもスポットライトが当たっていると指摘する。「国会議員の3分の1、安倍政権の19人の閣僚のうちで半分以上が日本会議を支持している」「安倍首相は日本会議を支援する超党派の議員によって構成される議員連盟・日本会議国会議員懇談会の特別顧問になっている」。

日本会議のメンバーは「米トランプ大統領の支持者のようにリベラル勢力から日本を『取り戻そう』と考えている。リベラル勢力が日本を破壊していると見ているからだ。その最終目的は日本に軍隊を復活させ、若者に愛国主義を醸成させ、戦前の明治憲法を修正することである」。

記事は日本会議がいかに歴史修正主義的かを紹介する。その設立目的とは、「第2次大戦中における、西側の植民地主義からの東アジアの『解放』を称賛し、軍隊を再構築し、左派系教師に洗脳された学生の間に愛国主義を叩き込み、戦前のように天皇陛下をあがめるようにすること」だ。

「安倍首相は『(自分の名前を使って寄附金を集めていたとは)初めて聞いたこと』と述べ、もし事件に自分が関与していたとなれば、『首相の職も国会議員も辞する』と付け加えた」としてアイリッシュタイムズの記事は終わっている。

以前から安倍首相は憲法改正を目指す右派として知られており、今回の国粋主義的教育機関とのつながりは「疑惑」ではあっても「さもありなん」という批判的な論調がうかがえる。安倍首相が何らかの形で関与していたかどうかについては、「限りない黒」という印象を与える記事といえるだろう。

日本国旗の前に並ぶ園児の写真を多用

「愛国主義的な政治=危険」との認識は、欧米メディアでは浸透している。それがよく分かるのが、森友学園問題の報道でよく使われる、日本国旗の前に塚本幼稚園の園児が並ぶロイター配信の写真である。英エコノミスト誌、米ワシントンポスト紙、米ニューヨークタイムズ紙などが使っている。

エコノミスト、ニューヨークタイムズの場合は男性が戸外で日の丸を広げ、旗の下に足が見える。その前に制服姿の園児らが並んでいる。本記事冒頭に掲載した写真と同じものだ。ワシントンポストの場合は、部屋の中に園児が並び、右端に旗がある。左には天皇陛下と皇后の写真が園児に向かう形で飾られている。

戦時中の日本の軍事行動を英米の知識人は忘れていない。こうした写真の掲載は愛国的、国粋的な学校の教育が今でも行われていることへの衝撃を読者に与えているはずだ。

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