鉄道が登場する映画は海外でも「名作揃い」だ 「鉄」の視点であの名画を見てみると…
世界初の映画の一つといわれるのは「映画の父」といわれるフランスのリュミエール兄弟が手がけた「ラ・シオタ駅への列車の到着」(1895年)。それ以来続く映画の長い歴史の中では、鉄道が登場したり、重要な舞台となったりする作品が数多くつくられてきた。特に、外国映画には鉄道を題材とした作品が豊富で、名作と呼ばれる作品にも事欠かない。
以前の記事で、鉄道が登場する日本映画をピックアップしてご紹介したが、今回は海外の鉄道を描いた名画の数々を取り上げてみよう。
大陸横断鉄道の大スペクタクル
まずは戦前の作品から。「大平原」(原題 ”Union Pacific” 1939年・セシル・B・デミル監督)はアメリカ大陸横断鉄道の開拓史を描いたスペクタクルドラマだ。
アメリカ大陸の東西を結ぶ鉄道は東からユニオン・パシフィック鉄道、西からはセントラル・パシフィック鉄道が工事を進め、1869年5月10日にユタ州で両社の線路がつながったが、この映画はユニオン・パシフィック側を描いている。建設を妨害するインディアンの襲撃、列車強盗、ならず者との決闘ありで、西部劇の面白さと鉄道のアクションシーンが混在する大作。1939年にカンヌ映画祭でパルム・ドール賞を受賞している。
大陸横断鉄道にまつわる映画といえば、失業者の無賃乗車とそれを阻止する車掌との壮絶な争いを描いた「北国の帝王」(原題 “Emperor of the North Pole” 1973年・ロバート・アルドリッチ監督)も名作だ。
時代は世界恐慌で大不況下のアメリカ。職の見つからない「ホーボー」と呼ばれる人たちの移動手段は、貨物列車への無賃乗車だった。その中で、19号列車と呼ばれる貨物列車はシャックという鬼のような車掌(アーネスト・ボーグナイン)が実権を握り、タダ乗りは見つけられると容赦なく惨殺されていった。北国の帝王と呼ばれる伝説のホーボー(リー・マービン)との執念の格闘が繰り広げられる。
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