鉄道が登場する映画は海外でも「名作揃い」だ

「鉄」の視点であの名画を見てみると…

同じくイタリアの鉄道を描いた名作「鉄道員」(原題 “Il Ferroviere” 1956年・ピエトロ・ジェルミ監督)は、イタリア国鉄の機関士(ピエトロ・ジェルミ)の一家と、その職場を中心に物語が進んでゆく、まさに鉄道を題材とした映画だ。

日本映画のような「職人かたぎ」の頑固な機関士の家庭と職場での出来事を描いており、幼い末っ子サンドロを演じる少年の名演とカルロ・ルスティケリの哀愁に満ちた音楽が印象的。「鉄」的には当時のイタリア独特の三相交流式電気機関車(架線が2本ある)など、イタリアの古い機関車がふんだんに登場するのが見ものだ。

筆者がイギリスで乗車した客車(筆者撮影)

そして、鉄道映画の極めつけは「オリエント急行殺人事件」(原題 “Murder on the Orient Express” 1974年・シドニー・ルメット監督)。アガサ・クリスティ原作の『オリエント急行の殺人』を映画化した作品で、当時の豪華なキャストが話題になった。ポアロ探偵(アルバート・フィニー)が豪華列車内で起こった殺人事件の解決に挑むストーリーは、豪華スターの共演が見ものだ。筆者はイギリス版「オリエント急行」のプルマン客車に乗車したが、その客車には「アガサ」と命名されていた。

鉄道文化を感じる隠れた名作も

最後に紹介したいのが、フランス映画の「離愁」(1973年)。メロドラマ風の邦題がついているので鉄道が登場する映画だとはあまり思われていないが、原題はズバリ「Le Train」(列車)だ。

フランス国鉄の蒸気機関車(筆者撮影)

フランスの田舎に暮らすラジオ修理工と、レジスタンスの女との避難列車の貨車での出会い、そして悲劇的な別れ。全編にわたるSL走行シーンや駅の情景などのロケは、当時のフランス国鉄の全面協力のもとに行われたという。ヨーロッパの鉄道文化のレベルの高さを象徴しているようで、うらやましい限りだった。

外国映画には鉄道を扱った映画が多く、まだまだ紹介し足りない。お気に入りの映画が出てこなかったとご不満もあろうが、いずれまたの機会に。いやぁ、鉄道映画って本当にいいもんですねぇ。

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