ローソンの商品開発、どの方向を目指すのか 傘下入りした三菱商事の調達力をフル活用

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ローソンは沖縄県のサンエーや高知県のサニーマートとは出店や商品開発を進めている実績もあり、こうした取り組みを三菱商事のネットワークを活用して広げていく構えだ。三菱商事の京谷裕常務執行役員は「日販については(ローソンと)シビアなやり取りをしている。1円でも多く日販を上げていただきたいのがこちらの希望」と話す。

会見で握手をかわすローソンの竹増貞信社長(右)と三菱商事の京谷裕常務執行役員(撮影:鈴木紳平)

もう1つの狙いが海外展開の加速だ。2016年12月末時点のローソンの海外店舗数は1109店。セブンの4万2383店、ファミリーマートの6296店と比較すると、ローソンの海外展開は周回遅れといった状況だ。現在、ローソンは中国など5カ国に進出しているが、いずれの国も赤字という状況が続いている。

今回の子会社化を契機に、ローソンは海外経験が豊富な三菱商事の人材を積極的に活用することで、海外事業の拡大を図ろうとしている。「海外は2018年度以降には地域によって黒字化が見えてきた。いかに早く海外事業の黒字化を果たせるかが協業の1つの成果になる」(竹増貞信社長)。

自由な社風は維持できるか

一方で現場の加盟店からは不安の声も聞こえてくる。あるオーナーは「ローソンがここまで成長できたのは、自由な社風の中でいろんな商品開発や取り組みができたからと感じている。子会社化によって裁量が狭まってしまえば、ローソンの良さが失われるのではないか」と吐露する。

ユニー・ファミリーマートホールディングスの上田準二社長は「商社に小売りはできない。子会社化してしまえば、プロパー社員の士気も下がりかねない」とライバルの方針にチクリ。これに対し、玉塚会長は「ローソンと三菱商事の関係は2000年から始まっており、これまでも人材交流を行ってきた。三菱商事はローソンのビジネスを理解しているし、今回の子会社化で社員のモチベーションが下がることはない」と真っ向から反論する。

2月16日の説明会で竹増社長は三菱商事を「同志」と表現した。だが、親子の関係になったことで、三菱商事からのプレッシャーが強まるのは必至だ。ステークホルダーの不安を取り除くには早期に結果で応える必要がある。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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