竹中平蔵「アベノミクスは100%正しい」 安倍政権の経済政策を占う

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――実行は未知数ながらも、安倍政権はスタートダッシュには成功したということですね。

そうです。起承転結でいうと、「起」はグッドスタートで、「承」はディベロップメントです。現在、出されている成長戦略は100点満点からはほど遠いですが、今までの成長戦略より、はるかに内容があります。

これから問題になるのは「転」、つまり、ターンです。この評価は、参議院選挙後に安倍首相がどれだけ本気で改革を加速させることができるかによって決まります。「転」がうまくいくかに応じて、「結」が決まってきます。

竹中平蔵(たけなか・へいぞう)
慶応義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長

1951年生まれ。一橋大学卒業後、日本開発銀行、大蔵省主任研究官、ハーバード大学客員准教授などを経て現職。2001~2006年、小泉内閣において 経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、郵政民営化担当大臣、総務大臣などを歴任。ワールド・エコノミック・フォーラムのファウンデーション理事会メンバー。アカデミーヒルズ理事長、公益社団法人日本経済研究センター研究顧問、(株)パソナ取締役会長、(財)森記念財団都市戦略研究所長などを兼務。経済学博士。

――改革が成功するかどうかは、参院選で自民がどれだけ議席を獲得できるかに左右されますか。それともより重要なのは、安倍首相の意志ですか。

意志だと思います。選挙ですから、やってみないとわかりませんが、事前の世論調査からすると与党は強い。自民党の支持率40%、内閣支持率70%、こんなことは今までありません。

だから、問題は選挙の後です。ポリティカルキャピタル(政治的資本)という言葉がありますが、それを安倍首相がどう使うのか、どのようにポリティカルキャピタルを配分して、どういう順位で改革を実行していくのか。総理大臣になっても360度敵に回すことはできませんので、やっぱりどこかに集中してやらないといけない。

郵政民営化を担当しているときに面白いと思ったのは、ある厚生分野のドンが私のところにやってきて「私は厚生についてはこういう意見をもっていて、竹中先生とは違う。でも、郵政は応援しますから」と言ったことです。ある分野で意見が違う人でも、ほかの分野では手を組むことができるわけです。

――誰を敵に回し、誰と手を組むか。その駆け引きが重要だということですね。

その設定が戦略的アジェンダですよ。その意味で小泉元首相は優れていました。今回、安倍政権は、デフレの克服をアジェンダとして掲げていますが、これは成功しています。ですので、その次のアジェンダをうまく作ってほしいと思います。

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