「有力外資系証券」が日本株上昇を支える? 為替が「ちょい円高」でも株が下がらない理由

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話を需給に戻すと、1月単月の外国人投資家は、同月30日(日経平均は前日比98円安)、同31日(同327円安)の下落相場を考慮すると、おそらくは売り越しになったと思われる。しかし、まだわからないが、2月第2週は様相が一変した可能性がある。

筆者が注目しているのは、日経平均先物ではなく、TOPIX先物だ。ゴールドマン・サックスが、8日(3596枚、1枚は1000万円)、9日(同2860枚)、10日(3524枚)、13日(同2967枚)と4営業日連続で買いの筆頭格となっている。もともと、同社は7万枚ほどのTOPIX先物の買いポジションを持っていたが、2月13日時点のポジションは8.3万枚の買い越しと、「1カ月の沈黙」を破り、買いポジションを積み上げ始めているようだ。

3月10日前後まではTOPIX主導の展開が続く?

もちろん、ゴールドマン・サックスのTOPIX先物の買いポジションの推移だけで相場の方向性を予測するわけにはいかない。だが、これまでも同社は相場の大きな転換点で存在感を発揮してきた。それだけに注目が必要だ。周知のように、トランプ政権に多くの閣僚を輩出していることからも、どうしても気になるところだ。

TOPIX先物による買いは、比較的投資スタンスの長い投資家、つまり年金筋よる買いと捉えられる。短期投資家が好む日経平均先物と異なり「買いの筋がいい」と判断される。

現に13日時点でTOPIXは取引時間ベースでの昨年来高値1558.75(昨年12月21日)は抜けていないものの、今年の高値である1558.45p(1月5日)を上抜いている。日経平均よりも、TOPIXが強い動きとなっているわけだ。ドル円相場がやや円高に触れていながらも、日経平均が1万9500円前後の水準を維持している背景には、このTOPIXの強さがあると想定する。

筆者はこうしたTOPIX主導の相場展開が、3月の「メジャーSQ日」(先物とオプション両方の清算指数を算出する日)である3月10日(金)前後までは続くとみる。

3月限(3月に期限が満了する取引)の買いポジションを6月限に移し変えるのか、現物株に置き換えるのか、それとも決済(反対売買を行いポジションを整理)してしまうのか。それは、「3月の市場の地合い次第」となりそうだ。予算教書や一般教書演説などで、トランプ政権による政策の実効性を見極める必要がありそうだ。

田代 昌之 マーケットアナリスト

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たしろ まさゆき / Masayuki Tashiro

北海道出身。中央大学文学部史学科日本史学科卒業。新光証券(現みずほ証券)、シティバンクなどを経てフィスコに入社。先物・オプション、現物株、全体相場や指数の動向を分析し、クイック、ブルームバーグなど各ベンダーへの情報提供のほか、YAHOOファイナンスなどへのコメント提供を経験。経済誌への寄稿も多数。好きな言葉は「政策と需給」。ボラティリティに関する論文でIFTA国際検定テクニカルアナリスト3次資格(MFTA)を取得。2018年にコンプライアンス部長に就任。フィスコグループで仮想通貨事業を手掛ける株式会社フィスコデジタルアセットグループの取締役も務める。

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