「有力外資系証券」が日本株上昇を支える? 為替が「ちょい円高」でも株が下がらない理由
さて、週明けの日本株は日経平均株価が一時1万9500円台を回復、1月5日の終値ベースでの年初来高値1万9615円まであとわずかにまで迫っている。一方、為替市場では、ドル円相場は1ドル=114円台前後で推移した。これは1月6日の高値118円60銭と比べると、4円超の円高ドル安水準である。
確かに今回の首脳会談で円安に関する目立った言及はなかった。だがトランプ大統領が安倍首相との会談後の記者会見で他国の通貨切り下げに関して難色を示し、(今後は)「公平な競争の場を作り上げる」とコメントするなど、ドル高けん制のスタンスを明確に打ち出したことも事実だ。このことから、円安ドル高が加速する地合いにはなりそうもない。
それでも為替に左右されやすい日経平均は強い動きを示している。日銀による上場投資信託(ETF)の買い入れや、日経平均株価連動債券(金融派生商品を組み込んだ仕組み債券、日経リンク債)の大量設定なども要因の一つだと思われる。だが、筆者はこれ以外の要因があると考えている。
ゴールドマンが相場を先導している?
その要因とは何か。ズバリ、米国の大手投資金融機関ゴールドマン・サックスによる「TOPIX(東証1部の時価総額を指数化したもの)の先物買い」だ。
まずは、日本株の需給を、2月第1週(1月30日から2月3日)の投資部門別売買動向(先物と現物を合算、東京証券取引所発表)を確認してみよう。「買い」で目立ったのは、「証券自己売買部門」(2639億円の買い越し)と「個人投資家」(2890億円の買い越し)である。
一方、売りで目立ったのは、「外国人投資家」(4704億円の売り越し)だ。外国人投資家による4000億円超の売り越しは、昨年11月第1週(10月31日から11月4日)の4511億円以来となる。
ちなみに、1月23日から27日の信託による2700億円の日経平均先物買いに関しては、上述した日経リンク債の大量設定が関係したのではないかと思われる。この週は、日経平均先物が引けにかけてじりじりと強含む動きが頻繁にみられた。
もちろん断言はできないのだが、昨年11月以降の日経平均上昇によって、過去に設定された日経リンク債が一気に早期償還→受け皿として新たな日経リンク債の設定→設定のため日経平均株価先物に買いが入る(引けにかけて)といった循環になったのではないか。
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