日立vs三菱重工、7600億円を「押し付け合い」

火力発電事業めぐり請求額が一気に倍へ拡大

名門企業同士の争いは先の見えない展開に。左が東原敏昭・日立製作所社長、右が宮永俊一・三菱重工社長(撮影:尾形文繁、風間仁一郎)

「倍率ドン!さらに倍!!」

名門企業間の争いは、昭和の時代に流行ったクイズ番組の決まり文句を彷彿とさせる展開となった。

日立製作所は2月8日、三菱重工業から南アフリカ共和国の火力発電プロジェクトに関連して7634億円の請求を受けた、と発表した。請求額は従来の3790億円から一気に2倍になった。

合弁で事業を営むパートナーだが・・

争点となっているのは、日立が2007年と2008年に受注した石炭火力発電用ボイラー設備計12基、総受注額5700億円のプロジェクト。もともとの計画では2011年に1号機の運転が開始される予定だった。

両社は2014年2月に火力発電事業を統合、合弁会社(三菱重工65%、日立35%)の三菱日立パワーシステムズ(MHPS)で事業を営んでいる。事業統合に当たり、日立の火力事業の価値を算定し三菱重工に譲渡する形を取った。その中で遅延していた南アのプロジェクトは、統合前の原因は日立が、統合後はMHPSが責任を持つことを前提に暫定価格で譲渡し、その後、最終譲渡金額を確定し差額を調整する契約だった。

しかし、当初定めていた期間内では合意できず、昨年3月末に三菱重工が日立に、三菱重工が主張する差額を請求。日立が拒否したため、5月の決算発表時に両社の対立が表面化していた。

2月1日の2017年3月期第3四半期の決算発表で、この問題について問われた日立の西山光秋CFOは「協議中で何も決まっていない」と語っていた。

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成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。