日経平均は夏場にかけて2万1000円超えも

トランプにこだわると実像が見えにくくなる

経済統計をみても、2月3日(金)に発表された1月分の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月から22.7万人増加し、市場の事前予想の17万人増を上回った。

こうしたトランプ新大統領とは何の関係もない、米国の経済と企業収益の堅調さにより、ニューヨークダウ工業株指数は、再度2万ドルを超えて週を終えている。もちろん、前述のように米株価の水準がすでに高すぎるため、当面は2万ドルを超えては割れる展開を繰り返すと予想するが、徐々に株価の底固さが明確になっていくだろう。

やはり米国の強さは、政府の政策に企業が頼らず、何があろうと自力で生き残っていこうとするところにあるだろう。社会的・文化的に、開拓者時代の魂が残っているのかもしれない。このため、最近のようなトランプ政権の「体たらく」でも、「上に政策あれば、下に対策あり」の格言の通り、したたかに企業収益を拡大しようとの自助努力は怠りないようだ。ただ、その格言は、米国ではなく中国で良く聞いていたように思うのだが…。

日本企業の業績も外需系中心に明るさが戻る

一方、日本でも、2016年10-12月期の決算発表がかなり進んできた。最終的には、当該期(こちらも、3月本決算以外の企業の、9-11月期などを含む)の東証1部全企業の1株当たり利益が、前年比で3割近くも増加しそうだ。このため、2016年度全体でも、1ケタ台の増益で着地すると見込まれている。自社による年度の収益見通しについても、おおむね7割の企業が上方修正を行なっている情勢だ。

こうした明るい状況に対し、円相場の動向を懸念する向きが増えている。確かに、前述のような好調な米雇用統計を受けて、米国の株価は上昇したが、米ドルの対円相場はかえって下押しし、113円を割れて週を終えている。これは、10日(金)の日米首脳会談を控え、トランプ大統領の為替市場における「米ドル安要望」の「パイプいす攻撃」がどうなるか、市場が神経質になっているのだろう。

しかし日本企業のなかには、引き続き為替の前提を現水準より円高に見込むものが多く、まだ為替が円高に多少振れても余裕がある。加えて、為替を横に置いても、数量ベースで日本からの輸出が伸びてきていることが心強い。

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