「金をコツコツ買う」は、どうして有効なのか

すでに金価格は底入れ、ジワジワと上昇へ

このように、トランプラリーで上げてきた株価やドル円は、1月に入ってから高値を確認して調整に入っている。この調整がトランプ大統領の就任後、長期的なものになるかは別にして、その前に金価格が底打ちして反発している事実に目を向けるべきであろう。つまり、現在のドル円の反転や日本株の下落、米国株の頭打ちは、金価格の動きによって察知できたわけである。

それにしても、昨年末の金価格の下落は大きかった。通常、金価格は11月までに底打ちし、年を越して上昇するケースが多い。したがって、今回はトランプラリーによって、例年この時期に見られる金価格の上昇が抑制されたといえる。それだけ、トランプラリーの力はすさまじかったといえるが、ここにきての金価格の力強さを見る限り、ようやく例年のパターンに戻ったのではないかと感じる。

「10月末に買って、2月末に売る」のが勝ちパターン

過去のデータを調べると、例えば金を10月末に買い、2月末に売ると、ドル建て金への投資で5.6%、円建て金への投資で4.2%の収益になっている。きわめて安定したリターンであるといえる。それだけ、この期間の金価格の上昇確率は高いわけである。今回は、トランプラリーの「被害」を受けた金価格だが、それでも12月末で何とか持ち直しのきっかけをつかみ、1月に入ってからその上昇基調を強めているというわけだ。

現在、金価格は、短期的にやや過熱感もあるように感じられる。だが、金融市場の調整が長引けば、現在の「ゴールドラリー」は長期化する可能性もある。そうなれば、結果的に例年のように2月末まで保有するつもりで11月~12月に金を買っておけば、相応のリターンが得られたということになるだろう。

ちなみに、直近安値からの上昇率はすでに6%程度に達している。1150ドル前後の底値圏で拾えていれば、5%程度のリターンになっており、目先の収益としては十分だ。

このように、金投資を行なっておくと、心理的な負担が大きく軽減できる可能性がある。金投資自体は収益を大きく狙う投資対象ではない。資産保全の位置づけである。だからこそ、常に一定量は保有しておきたい。前回の本欄では、金はポートフォリオの10%程度がよいという解説をしたが、金融資産における金の比率は、この程度は確保しておきたいところである。金投資でキャピタルゲインを狙う方法もあるのだろうが、金投資はあくまで資産保全が前提である。結果的にリターンが出るケースもあるが、それはむしろおまけである。

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