「トランプ占い」は「吉」と出るか「凶」と出るか

新大統領の放言に惑わされない米国の見方

だからといって、公約通り中国製品に45%の関税をかけたりすると「最恵国待遇」というWTO(世界貿易機関)ルールに違反してしまう。それ
にiPhoneを米国内で生産すると、1台2000ドルくらいになるという試算があったりする。グローバル化に待ったをかけると、ほかならぬアメリカの消費者が不利益を蒙ることになってしまうのだ。

そんな中で、いよいよ1月20日正午(日本時間では21日午前2時)には大統領就任式が行われる。そこでわれわれは、第45代大統領の就任演説をどんな風に聞くべきだろうか。「トランプ占い」の吉凶をあらかじめ検討しておこう。

マクロ重視なら「吉」、「ミクロ重視」なら「凶」

マーケット的な観点から言えば、就任演説の中の経済政策に関する部分が「マクロ重視」(減税、インフラ投資など)であれば「吉」、「ミクロ重視」(保護貿易、為替介入)であれば「凶」、ということになる。先週、1月11日に行われた大統領当選後初の記者会見においては、発言が「マクロよりミクロ」に偏っていたために株価は下落した。

あのとき、「せめてひとこと『減税』と言ってくれれば、少しは円安・株高になってくれたのに…」とぼやいていた市場関係者がいたものだ。そりゃそうだよね。減税やインフラ投資をやってくれれば、アメリカの財政赤字が増えるから長期金利は上昇する。日米金利差が拡大してドル高になるということだ。

逆にミクロ重視で、貿易赤字の削減を目指してくるようだと、ドル高是正で円高ということになりそうだ。下手をすると、日本の輸出企業も叩かれることになるかもしれない。まさか1990年代のようなジャパン・バッシングにはならないと思うけど、そこは油断がならない。とにかくトランプさんは予測不可能な人なのだから。

次期大統領の立場になってみれば、成果が出るまでに時間がかかる「マクロ」よりも、手っ取り早く結果が出る「ミクロ」の方が魅力的に見えるのは理解できる。減税にせよ、インフラ投資にせよ、議会で法案を通さなければならず、しかも新財政年度は10月1日からとなる。いろいろ地味で辛気臭い作業が必要なのである。

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