住友電工、医療機器で和歌山県立医大と提携 動脈硬化やがんを近赤外光カメラで見える化

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先進的な医療機器の研究開発などで包括連携協定を結んだ、住友電工の田中茂専務(右)と和歌山県立医科大学の板倉徹理事長・学長(左)

住友電気工業が和歌山県立医科大学と包括的連携協定を締結した。同大学が持つ多様な医療ニーズと、住友電工が蓄積してきた技術シーズをマッチングさせることで、先進的な医療機器の研究開発などに取り組んでいく。

住友電工は、今年5月に5カ年の新中期経営計画「17VISION」を策定。その中で、成長戦略のコアの中に「新規領域への挑戦」を掲げている。

この新規領域への挑戦において、ターゲットの一つとなるのがライフサイエンスであり、住友電工側では、医療機器などの分野で新たな事業領域を創出することを明らかにしていた。

食肉のうま味わかるカメラを食品会社向けに試作

住友電工と和歌山県立医科大学は7月10日に包括連携協定を締結。この協定の下で、第1弾として検討を進めていくのが、「コンポビジョン(Compovision)」 と呼ばれるカメラ。近赤外光を用いた独自の組成イメージングシステムであり、これを医療に応用していく。

住友電工によると、今までの画像処理技術やカメラでは、水、脂肪、たんぱく質などの成分の違いは読み取れなかった。

それがコンポビジョンでは波長域の広い近赤外光を用いることによって、さまざまな物質の組成や濃度をリアルタイムで画像化できるという。また生体や有機物に浸透しやすい近赤外光を用いることから、非破壊・非侵襲での測定が可能となっている。

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