渋谷駅に「カレーメシ」の店が誕生したワケ 「どん兵衛」「ラ王」に次ぐ日清の新店舗
ドリッパーを使うという手の込んだ調理方法を採用した理由について、和田さんはこう語る。
「ルゥでも、レトルトでもない『第3のカレー』として誕生したカレーメシが、これまでのレンジ調理から湯かけ調理へとリニューアルしたことを、今まで誰も手がけていなかったような方法でアピールしていきたい。お湯を使った調理方法で何が出来るのだろう。ドリッパーでフレーバーを付けたお湯でカレーメシを調理したら面白いのではないか?というコンセプトが社内でまとめられたのが出発点となりました」
相性のいい味を求めて試行錯誤
このような発想から生まれた「ドリッパーを使う」というアイデア。現在、店舗ではビーフ・シーフード・スパイシーチキンのカレーメシと、計7種のフレーバーが用意されているが、どのようなフレーバーがカレーメシに適しているのか、最初は手探りだった。
「肝心の味作りについては、開発チーム全員で40品目以上の食材を試食しました。当然試行錯誤がありまして、この食材を使えば美味しくなるだろうなと思えたものがカレーメシとの相性が悪かったというものがたくさんあります。例えば白湯(パイタン)スープがそれで、このスープはご存知のようにコクがあるのですが、カレーメシと合わせると、塩辛くなり過ぎてしまいました。検討を続けてゆくうちに、そもそもスープとして味が完結しているものはむしろカレーメシ向きではなく、香り付け、フレーバー系のものが合うことに気づいたのです」(和田さん)
単体では美味しいスープなども、カレーとの相性がいいとは限らないのだ。さらに、大きなポイントである「ドリッパーを使用する」点にも、思わぬハードルがあった。
「誰もがこれを使えば美味しくなるだろうと考えたのがミルクです。まろやかなミルクカレーは美味しそうだ、と。ところが粉末ミルクをドリッパーに通そうとすると、フィルターの目が詰まってしまうのです。これでは使えない。同様にジャムのようなものも駄目。意外なところではチョコレートも駄目でした。フィルターを通したお湯は、チョコレートの甘みも香りもない、無味無臭に近いものだったのですね」(和田さん)
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