渋谷駅に「カレーメシ」の店が誕生したワケ 「どん兵衛」「ラ王」に次ぐ日清の新店舗

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ドリッパーを使うという手の込んだ調理方法を採用した理由について、和田さんはこう語る。

「DRIP CURRYMESHI TOKYO」ではフレーバーのついたドリップしたお湯でカレーメシを提供している。まるでコーヒーを入れているようだ(写真:筆者撮影)

「ルゥでも、レトルトでもない『第3のカレー』として誕生したカレーメシが、これまでのレンジ調理から湯かけ調理へとリニューアルしたことを、今まで誰も手がけていなかったような方法でアピールしていきたい。お湯を使った調理方法で何が出来るのだろう。ドリッパーでフレーバーを付けたお湯でカレーメシを調理したら面白いのではないか?というコンセプトが社内でまとめられたのが出発点となりました」

相性のいい味を求めて試行錯誤

このような発想から生まれた「ドリッパーを使う」というアイデア。現在、店舗ではビーフ・シーフード・スパイシーチキンのカレーメシと、計7種のフレーバーが用意されているが、どのようなフレーバーがカレーメシに適しているのか、最初は手探りだった。

「肝心の味作りについては、開発チーム全員で40品目以上の食材を試食しました。当然試行錯誤がありまして、この食材を使えば美味しくなるだろうなと思えたものがカレーメシとの相性が悪かったというものがたくさんあります。例えば白湯(パイタン)スープがそれで、このスープはご存知のようにコクがあるのですが、カレーメシと合わせると、塩辛くなり過ぎてしまいました。検討を続けてゆくうちに、そもそもスープとして味が完結しているものはむしろカレーメシ向きではなく、香り付け、フレーバー系のものが合うことに気づいたのです」(和田さん)

単体では美味しいスープなども、カレーとの相性がいいとは限らないのだ。さらに、大きなポイントである「ドリッパーを使用する」点にも、思わぬハードルがあった。

「誰もがこれを使えば美味しくなるだろうと考えたのがミルクです。まろやかなミルクカレーは美味しそうだ、と。ところが粉末ミルクをドリッパーに通そうとすると、フィルターの目が詰まってしまうのです。これでは使えない。同様にジャムのようなものも駄目。意外なところではチョコレートも駄目でした。フィルターを通したお湯は、チョコレートの甘みも香りもない、無味無臭に近いものだったのですね」(和田さん)

次ページトッピングは認めない!ドリップへのこだわり
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事