渋谷駅に「カレーメシ」の店が誕生したワケ 「どん兵衛」「ラ王」に次ぐ日清の新店舗

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

開発スタッフ一同の失敗の数がいかなるものであったかが窺えるが、飲んだだけでは同じようにしか感じられない2種類のコーヒーでも、フィルターを通して出来上がったカレーメシは、まったく違うものになるのだという。

「もちろん、自宅でドリッパーを使いコーヒーで『カレーメシ』を作ることも可能なのですが、コーヒーはあくまで香り付け程度に考えて下さい。飲むコーヒーをイメージして作ってしまうと、味のバランスが崩れてしまいます」と和田さんはいう。

一見「ジャスミン茶やコーヒーでカレーメシ?」と驚いてしまう同店のメニューだが、食べてみると意外ともいえる新たな美味しさを楽しむことができる。手軽に食べられるインスタント食品だが、自宅では簡単に再現できない味。それがこのショップの魅力ともいえるだろう。

なぜ渋谷駅ホームに出店するのか

どん兵衛、ラ王の店に続き、渋谷駅山手線ホームの名物となったDRIP CURRYMESHI TOKYOだが、それほど床面積の大きな店ではない。カレーメシも1品290円で提供しており、売り上げには限度もありそうだ。それでも日清食品が、渋谷駅ホームでショップの営業を行う理由とは何なのだろうか。

佐野さんは「渋谷駅のホームでは、以前、日清のどん兵衛、あるいは日清ラ王のアンテナショップを展開していたわけですが、私どもがあの場所に出店しているのは、ショップの存在意義の一つが交通広告であるという考えからです」と語る。

渋谷駅の山手線のホームにある「DRIP CURRYMESHI TOKYO」。小さな店舗だが目立つ(写真:筆者撮影)

「渋谷駅の山手線ホームにショップがあるということ自体に価値がある。ショップで私どもの商品を味わって頂けるし、少し手を加えるだけでお店に負けないくらい美味しくなるということをお客様に知って頂ける。さらに、新商品が発売されたのなら、ショップの外壁をそれに合わせて作り替え、新商品のことを知って頂く。ホームにショップがあれば、お店を訪れてくださるお客様だけでなく、そこを通過する電車に乗っている方の目にもとまります。そういう点で、渋谷の山手線ホームというのは、素晴らしいロケーションだと言えます」(佐野さん)

次ページ利益より商品の新たな価値提供を
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事