最新!駅別マンション割安・割高ランキング 311駅の分譲価格と賃料水準で分析
東京カンテイは首都圏においてサンプル数が豊富な311駅についてマンションPERを算出。平均値は28.66で井出氏は「2014年の調査結果は24.99だったので収益力が悪化した」と指摘する。
では駅別で見てみよう。マンションPERが最も低かった駅は東京メトロ銀座線・虎ノ門駅の14.17だった。ただこれは、築浅の賃料事例が賃料水準を引き上げたものでいわば特殊事例だ。全体としては、「PER20以下の駅は9駅にとどまり、2014年調査の29駅から大幅に減少した」(東京カンテイ)という。
4位以下は郊外駅ながら複数路線が利用可能など、交通利便性が高い割に価格が割安に分譲されている駅が名を連ねる。10位の吉祥寺駅は「住みたい街」の上位にランクされる人気駅であり、都心部に劣らぬ賃料水準ながら、駅遠の物件が比較的リーズナブルな価格で分譲されたことがPERが割安になった理由だという。
反対にマンションPERが最も高かった駅は東京メトロ日比谷線・六本木駅の45.40だった。新築マンション価格が1億9924万円と今回の調査対象311駅の中で最高額だったため収益性が低くなったようだ。
近畿圏で収益力の高い駅は?
東京カンテイでは、分譲価格と賃料水準によるマンションPERを4つに分類している。
パターンAは、高価格(7000万円以上)かつ高賃料でマンションPERが低い駅だ。物件価格が高くでも賃料も高いため結果的には収益力が高くなる。虎ノ門、田町、西新宿などの各駅は商業系の用途が多く高い賃料が取れるが、住宅価格としては高額になりにくい駅が並ぶ。
パターンBはマンション価格が平均を下回る3000~4000万円台前後の水準で、賃料が高い駅だ。郊外における交通利便性のよい駅や立会川駅や品川シーサイド駅のように住宅地としては人気の高くない駅がランクインしている。「9位の吉祥寺駅は本来ならパターンAに分類される駅」(東京カンテイ)。
パターンCは、高価格(7000万円以上)かつ賃料が安く、マンションPERが高い駅だ。六本木、国分寺、目黒、四ツ谷、品川などの各駅はいずれも高級物件が供給されている。
パターンDはマンション価格が4000~5000万円台前後の水準で、賃料水準も低く、マンションPERが高い駅だ。本来は交通利便性の良くない郊外駅が多くを占めるが、大船、京王多摩センター、南浦和などの各駅はパターンBに入ってもおかしくない。マンション価格高騰の影響といえそうだ。
東京カンテイでは近畿圏についても分析を行なっている。最もマンションPERが低い駅は大阪市営地下鉄堺筋線・日本橋駅の17.05だった。新築マンション価格が近畿圏平均よりも低くなっているのに対し、賃料が近畿圏平均を上回っていることから最も収益性の高い駅となった。反対に最もマンションPERが高い駅は阪急神戸線・芦屋川駅の53.47だった。分譲価格が高額であることが収益性を下げている。
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