「アフリカ市場」は中国人に席巻される寸前だ 「DMM.com×ビィ・フォアード」トップ対談
山川:ありがとうございます。DMM.africaでは、何を仕掛けようと考えていらっしゃるのですか。
亀山:何をしようか、それを探しているところなんですよね(笑)。いま、アフリカビジネスコンテストを定期的に開催し、現地の人たちからビジネスのアイデアを出してもらっています。そのコンテストには、政府高官の方にも参加してもらっている。そうすることによって、アフリカでビジネス展開をする時に必要な人脈を築けるからね。
それに、アフリカって非常に優秀な人が大勢いる。それこそ海外の一流大学に留学して学んだ人たちが、母国に戻ってきたのはいいけれども、実は仕事がない、なんてことが結構あるみたいだね。そういう人たちが今、何をしているのかというと、自ら起業し始めた。そもそも仕事がないから、自分で仕事を作ろうという発想なんですね。この流れが今後、どんどん大きくなっていくと考えている。
そこで、現地の人たちからアイデアを出してもらい、面白いものにはDMM.comグループとしておカネを出し、一緒に育てられるビジネスを考えていく。それが、DMM.africaを通じて今後、やろうとしていることかな。
山川:それは心強い。アフリカの人たちに接していると、とても熱い想いを感じることがあります。アフリカ大陸の国々って、多くが建国してから50年程度ですよね。だから建国した人たちの子供、孫くらいの世代が社会の中心を担っていて、彼らは少しでも国を発展させ、良くしようという気持ちが強いんです。
亀山:アフリカビジネスコンテストには、本当にいろいろなアイデアが出てくるんだよ。たとえば農業用アプリとかね。作物の育て方などを教えてくれるアプリで、これを使って学べば、誰でも農業に従事できるようになる。
あと、個人的にはマネー関連が面白いかもね。特にジンバブエのようにハイパーインフレに見舞われた国は、通貨がやばいから、ビットコインのような仮想通貨が普及するんじゃないかとかね。日本とは別の切り口で、仮想通貨が注目される可能性がある。
日本はモノやサービスが溢れているから、日本的視点だと思いつかないようなビジネスアイデアが、アフリカでは持てはやされるかもしれないよね。
SNSを制する者がビジネスを制する
山川:ブランドづくりという点でも、日本の手法が通用しない面はあるかもしれません。というのも、アフリカで商売するようになって驚いたのが、広告宣伝がいらないということだったからです。
日本だと、ブランド力を広めるためにテレビや新聞、雑誌などのマスメディアに、高い広告料金を払って宣伝するというのが普通ですけれども、アフリカではうちから車を買ってくれた人が、勝手に口コミで広げてくれます。だから、マスメディアよりもSNSですね。いずれにしてもブランドづくりという点において、日本とはまったく違うという印象を受けました。
亀山:面白いな。いずれ日本もそうなるかもね。マスメディアが持つ意味合いが、これから大きく変わっていくような気がする。良いサービス、良い製品をきちっと作っておけば、あとはユーザーが勝手に広げてくれるので、マスメディアを使って宣伝する必要がなくなってきた。
だから、日本でビジネス展開をしている企業も、もっと広告費を削っていいんじゃないかな。で、削った広告費で、SNSを駆使した話題づくりをする。そこにおカネを掛けたほうが、これからは拡散しやすいのではないかと思うよ。
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