4代目プリウスは、なぜ早々に首位陥落したか ハイブリッド車の絶対王者ではなくなった

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日本以外の有望市場である北米でもプリウスは苦戦している。ガソリンの安値傾向が続き、燃費のいい小排気量コンパクトカーやハイブリッドなどの次世代環境車などが軒並み販売苦戦しているなかでは知名度も抜群で健闘しているが、デザインの不評は北米でも指摘されている。

写真はロサンゼルス近郊のフリーウェイ近くのビルボード。9月末のクリアランスセール時期のもので、その対象にはプリウスも含まれていた

南カリフォルニア在住の事情通によると、「米国では環境面というよりは、燃料代負担の軽減ということでハイブリッド車は注目されます。

同クラスガソリン車に比べ価格が高めとなるプリウスは1ガロン(約4リットル)のガソリン価格が4ドルを超えないとなかなか買ってくれません」とのことであった。

販売台数が決して悪いものではないが……

国内販売に話を戻せば、プリウスは2016暦年での登録車販売ランキングでトップがほぼ確実となっているので、11月は無理なフリート販売を避けたとの見方はできる。日本国内については、軽自動車でもないかぎり毎月のように2万台を販売すること自体が異常な状況であって、10月や11月の販売台数が決して悪いものではないが、それまでの2万台以上売っていたペースからの落ち込み方は尋常ではないので、いろいろと心配が募ってしまう。

年明け早々にデビュー予定のプリウスPHVは話題作りの材料としては有効なのであろうが、販売台数の上積みについては未知数だ。それでも年明けから始まる年度末商戦では、プリウスは法人向け販売で強みも持っているので、2月や3月あたりは再び2万台近辺の販売台数を記録し、2016事業年度でも年間販売台数トップの座を獲る可能性は高いが、その先はわからない。プリウスは唯一無二なHVの絶対王者ではなくなっている。

前之橋 三郎 自動車業界ウォッチャー

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まえのはし さぶろう / Saburo Maenohashi

主に販売現場の視点から俯瞰する自動車業界ウォッチャー。

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