佐藤優も唸る!池上彰のスゴい新聞の読み方

「毎日11紙を1時間20分」どう読んでいる?

池上:まず知っておいてほしいポイントは、「新聞によって、取り上げているニュースそのものが異なる」という点です。

新聞を読む「大切な大前提」とは?

【ポイント1】新聞によって取り上げるニュースそのものが違う

池上:たとえば、東日本大震災の原発事故後に首相官邸前で行われた「反原発デモ」などは、『東京新聞』は大々的に取り上げ、『朝日新聞』『毎日新聞』もそこそこ大きく扱いましたが、『読売新聞』と『産経新聞』はほとんど、あるいはまったく取り上げませんでした。

佐藤:与党が進める原発再稼動に対して、賛成・反対のスタンスがくっきり表れた形でしたね。ほかにも歴史認識や安保法制、憲法改正にまつわる問題も、新聞ごとに報道スタンスが大きく異なっています。「どの新聞も同じようなニュースを取り上げている」と思ったら大間違いですからね。

池上:ええ。新聞社にはそれぞれの「立場」や「考え」があり、それが「日々のニュースの取捨選択」に大きな影響を及ぼしています。自分が読んでいる新聞の「バイアス」を知っておくことは大切ですね。

【ポイント2】新聞のバイアスは「社説」と「コラム欄」で見抜く

佐藤新聞ごとの「バイアス」を知るには、各紙の「社説」と「コラム欄」を参考にするのがいいですね。ビジネス的な情報価値はさほど高くはありませんが、各紙の立場を知るには便利です。

池上:そう思います。「コラム欄」というのは、朝日新聞の「天声人語」や読売新聞の「編集手帳」のことで、どの新聞も1面の下のほうに掲載しています。「社説」や「コラム欄」には、新聞社の公式見解がよく表れています。

池上氏が毎日、目を通す新聞は11紙(池上氏の研究室にて。撮影:風間 仁一郎)

佐藤:「社説」や「コラム欄」はエリート層も必ず読んでいます。国家の政治・経済政策への影響という点でも、新聞社の社論は大きい。ところで、池上さんが毎日読む11紙は、具体的にはどの新聞ですか?

池上:自宅に毎日届く新聞が『朝日新聞』『毎日新聞』『読売新聞』『日本経済新聞』『朝日小学生新聞』『毎日小学生新聞』、それと地方紙が『中国新聞』『信濃毎日新聞』です。駅で購入して電車で目を通すのが『東京新聞』『産経新聞』、ほかに『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版』は電子版で購読しています。

佐藤:これだけの新聞に目を通すのに、毎日どれくらいの時間をかけているのですか?

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