試算!「配偶者控除」改正で家計はこう変わる

18年1月から専業主婦は損、パート主婦は得?

「配偶者控除」見直しによって、高収入の夫を持つ専業主婦の世帯では、増税となる(写真:【Tig.】Tokyo image groups / PIXTA)

「配偶者控除」見直しで、主婦の暮らしは一体どうなるのか――。

自民・公明両党は12月8日に平成29年度税制改正大綱を決定した。焦点となったのは、所得税の「配偶者控除および配偶者特別控除」改正だ。配偶者控除とは、配偶者(妻)の年収が「103万円以下」の場合、世帯主(夫)の給与所得から38万円を控除し(=差し引き)、世帯主の納税額を小さくする仕組み。世帯主が配偶者を養っていることを配慮し、妻の内助の功に報いるのが元々の狙いである。1961年創設と半世紀以上も前にできた制度だが、パート主婦が働く時間を年収103万円までに抑えるため、”103万円の壁”として批判されてきた。

今回の改正で、控除を最大に受けることができる妻の年収は、「150万円以下に引き上げられる。また、「103万円超~141万円未満」で段階的に適用されていた控除も、「103万円超~201万円以下」へと拡大。これによって妻=働く女性の就労促進を促す効果が期待される。さらに、配偶者控除が適用される世帯主の納税者には年収制限が付き、夫が高収入だと控除できなくなった。

2018年1月からは、控除を受けられなくなる(増税)家計と、新たに控除を受けられるようになる(減税)家計が出てくることになる。ここでは増減税になる代表的な家計パターンを紹介していきたい。

妻は年収150万円まで可になった

まず、現在の配偶者控除と配偶者特別控除について、簡単におさらいをしておこう。

配偶者控除とは、納税者(世帯主=夫)に所得税法上で扶養する配偶者(妻)がいる場合、38万円の所得控除が受けられるという内容である(70歳以上は48万円)。ただし、控除対象となる妻は要件を満たす必要があり、妻が給与所得者なら年収103万円以下でなければならない(年金受給者なら年金158万円以下)。扶養する妻を持つ夫は、課税対象となる所得を38万円分減らすことができ、その分、所得税が少なくなるというわけだ。

それでは、妻の年収が103万円を超えると直ちに控除がなくなるのかといえば、そうではない。配偶者控除とは別に、「配偶者特別控除」が設けられており、控除額は少しずつ減少していく形になる。妻の給与収入が141万円以上(年金収入なら196万円以上)だと、控除額がゼロになってしまう。さらに配偶者特別控除は、夫の年収が1220万円を超えると、そもそも適用されない(いずれも年金収入は65歳以上の設定)。

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