朝時間はあえて「非効率的」に過ごすべきだ 頭の「棚卸し」をするなら、朝こそ最適だ
さて、せっかく作った朝の時間、どう過ごすのがよいのでしょうか。私のおすすめは、朝、頭を「棚卸し」して在庫整理することです。詳しく説明しましょう。私は、大学を卒業して新卒で外食企業に入社しましたが、そこでは、月末に棚卸しがありました。棚卸しとは、「決算や毎月の損益計算などのため、手持ちの商品・原材料・製品などの種類・数量などを調査し、価格を評価すること」です。正直に言って、面倒で大変な作業でしたが、この作業を定期的に行わないと利益がどれだけ出ていて、ムダがどこに隠れているかがわかりません。
また、棚卸しを通してホコリをかぶっていた場所も、キレイに整理できます。最初はほとんど目に見えないホコリでも、積もり積もると大きな綿ぼこりになったりして、掃除がとても大変です。そうなる前にちょこちょこきれいにしておくことが必要でした。私は、「棚卸し」と「頭の整理」は似ているなと感じています。頭のモヤモヤという「ホコリ」をためないように、頭の整理を定期的な習慣にしてしまうのです。あなたの頭のモヤモヤの整理も、毎週月曜日の朝やろう、月末の朝にやろう、といったようにルーチンとして決めてしまうことをおすすめします。例外を作らずに習慣化できれば、やったりやらなかったりして、気が付けばチリが積もってどうにもならなくなっていた、ということがなくなるのです。
頭の「棚卸し」には紙の手帳が最適
では、どうやって頭の棚卸しをすればよいのでしょうか。パソコンやスマホでも、テキストファイルやメモ帳に記録することができますが、私はあえて紙の手帳をお勧めします。「今から頭の整理をしよう」と思って電源をつけても、集中力があっちこっちにそれてしまい、気づいたらメールをチェックしてしまう、ということがよくありますよね。なんでもかんでもできてしまうがゆえに、かえってその機能に翻弄されてしまうのです。ノートや手帳なら、「書く」「読む」しかできない環境に身を置けるため、惑わされずに高い集中力を保つことができます。
私の場合は、次のような項目を、週に一度、朝の時間に定期的に整理して手帳に書き出すようにしています。
ポイントは、「こんな細かいことまで書く必要があるのかな?」「今週中にできるのかな?」などと迷う時間を自分に与えず、気になったことはとにかく全部書き出すこと。頭のなかをぎゅーっと絞りきるようなイメージです。あとは1週間、折に触れてこのリストを眺め、終わったものを赤ペンでどんどん消していったり、新しく加わった予定や作業を追加したりしていくのです。この書いたり消したり加えたりしたものが、そのままあなたの頭の中の代わりをしてくれます。「忘れないようにしなきゃ!」と、頑張って余計な労力をかけていた脳の負担を減らし、余白ができたぶん、創造的で生産的な作業に振り分けることができるようになるのです。
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