知られざる真田信繁が討死の頃の「世界史」

日本史と世界史の「同時代感覚」が足りない

「大坂の陣」のころ、世界では何が起きていたのか(写真:shiii / PIXTA)
大河ドラマ「真田丸」(堺雅人主演)もいよいよ「大坂夏の陣」というクライマックスを迎える。大坂冬の陣では真田信繁(幸村)が出城の真田丸を築き、徳川軍を翻弄し優位に展開。しかし、大砲が大坂城天守に撃ち込まれ、急きょ、和議が結ばれる展開となった。
大砲の威力とともに、徳川方がイギリスから大砲を仕入れていたという事実にも驚かれた方が多いだろう。この時代はヨーロッパが大航海時代を経て、アジアに積極的に進出していた時代であり、日本も戦乱に明け暮れていたとはいえ、世界との交流があったのである。
日本では、日本史と世界史は学校で別々に教えられ、同時代の出来事を並列で見る機会が少ない。しかし、両者は同じ時代を歩んでいるという視点で眺めれば、浮かび上がってくる意外な事実の多さに驚かされる。このような視点で、日本史と世界史の「ヨコ」つながりを解説した『一気に同時読み!世界史までわかる日本史』(SB新書)の著者であり、作家の島崎晋氏に、日本史と世界史を同時に読むメリットを、「大坂の陣」を話材に解説してもらう。

大坂城天守に撃ち込まれたイギリス製大砲の威力

日光東照宮に眠るはずの徳川家康だが、なぜか大阪府堺市にある臨済宗南宗寺の境内の一角に家康の墓がある。

なぜ、家康の墓が堺にあるのか? 土地の伝承によれば、大坂夏の陣に際して、家康は大坂方の必死の猛攻に耐えられず、駕籠に乗って逃げる途中、後藤又兵衛の槍に突かれた。または真田信繁の鉄砲に撃たれ、堺まで落ち延びたところで息絶えた。

側近たちは大坂方に家康の死を知られるのを恐れ、とりあえず南宗寺の境内に埋めた。すでに徳川幕府は秀忠が2代将軍を継承しているが、家康の死が喧伝されれば、大坂方に寝返る大名が出るに違いなく、家康の死は極秘にされたというのである。

この伝承の真偽はともかく、大坂夏の陣で家康が肝を冷やしたことは事実だった。

大坂城は豊臣秀吉が築いた天下の名城。どれほどの大軍で攻めようとも、容易に落とせる代物ではなかった。

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