「ご飯を食べても痩せたい人」に教えたい知恵 食物繊維が豊富な「もち麦」を知っていますか
しかも食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があり、もち麦は両方をバランスよく摂取できます。野菜やきのこ、豆類などにも含まれているのが不溶性食物繊維。水に溶けずに腸内の水分を吸って膨らみ、便のかさを増やし、排便を促すので便秘改善に役立ちます。腸内の有害物質を体外へ排出させる働きもあります。
一方の水溶性食物繊維は、糖質の消化・吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぎ、脂質の吸収を穏やかにする作用があります。乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を増やす効果もあるため、腸内環境改善にも役立ちます。実は野菜をたくさん食べたとしても摂取できるのは、ほとんど不溶性食物繊維。もち麦はなかなか摂取しにくい水溶性食物繊維を豊富に摂取できるのも特徴です。
もち麦には「β-グルカン」が多く含まれている
特に水溶性繊維の一種である「β-グルカン」がもち麦に多く含まれているのは、ポイントです。β-グルカンが体に摂取された後、体に不要なものを包み込んで排出します。糖質や脂質の消化吸収を遅らせる効果もあります。そうすると血糖値の急激な上昇を抑えられ、インスリンの過剰な分泌がなくなることで、余分なブドウ糖を脂肪細胞に貯め込まず、体に脂肪がつくのを防ぎます。
これらの効果を発揮するのに必要なβ-グルカンの摂取量は1日約3グラム。全米大麦協会によると、もち麦には7%ぐらいの割合でβ-グルカンが含有されているので、1日当たりもち麦50~60グラムを食べれば発揮されます。
小林メディカルクリニック東京の小林暁子院長は、「便秘症の人こそ、摂るべきは水溶性の食物繊維。便のかさを増やし、排便を促す効果がある不溶性食物繊維は、ひどい便秘症の人がたくさん摂ってしまうと、逆に便秘を悪化させる可能性がある」と指摘します。
大妻女子大学家政学部の青江誠一郎教授は、「日本人が野菜から摂取している食物繊維量は60年前とほぼ変わっておらず、穀物から摂取する食物繊維量が大幅に減少しています。つまり、日本人の食物繊維不足の原因は、昔の雑穀を食べる習慣が白米・小麦パンを食べる食生活に変化したことにあります」と指摘しています。
最近では糖質制限ブームで炭水化物抜きダイエットがはやっていますが、人間の体にとって大切な栄養素である糖質を長時間摂らないのも、体にダメージを与えるリスクがありえます。その点で、炭水化物を我慢せずに食物繊維の不足分を十分に補える、もち麦ご飯はバランスの取れた食事のひとつです。ただし、調子に乗って食べすぎると、摂取カロリーが増えてしまい、かえって太ってしまいますから注意です。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら