「帰りの通勤電車」、空き始めるのはどの駅か 首都圏私鉄の「通過人員」を比較
まずはターミナル駅での輸送量を見てみよう。簡単にいえば「ターミナルを発車直後の電車に乗っている人の数」だ。多い順から記すと、JR中央線>京王線>東急田園都市線>小田急線>西武池袋線>東武東上線>京急本線>西武新宿線>東武伊勢崎線>京成本線となる。
中央線は年間約2億人で、ほかの路線を大きく引き離しトップ。次いで京王線が約1億3000万人、東急田園都市線が約1億2000万人だ。1億人超えはこの3路線のみ。最も少ないのは約871万人の京成本線だ。同線を利用する人ならわかる通り、京成本線はターミナルである京成上野駅の隣、日暮里駅からの利用者が多いためだ。
だが、起点から約30キロメートル付近の輸送量を見ると、この順位はだいぶ変わってくる。多い順に小田急線>JR中央線>京急本線>東武東上線>東武伊勢崎線>京成本線>西武池袋線>西武新宿線>京王線>東急田園都市線の順となり、ターミナル駅付近では3番目に輸送量が多かった田園都市線は最下位となっているのだ。
必ずしもターミナル付近が一番混むわけではない
なぜこのような違いが生まれるのか。都心から郊外へ向かう電車といえば、ターミナル駅から離れるにつれて少しずつ乗客が減っていくのでは……と考えがちだが、実際には始発駅から一方に向けて利用者数が減少する路線、途中の乗り換え駅で他の路線から多くの利用者が流入する路線など、それぞれの路線固有の事情があるためだ。おおまかに3つのパターンに分類してみよう。
途中駅での増減はあるものの、最もシンプルな「ターミナル駅から乗ったときが一番混んでいる」タイプなのはJR中央線・京王線・東急田園都市線だ。京王線は多摩ニュータウン・橋本方面への相模原線が分岐する調布(新宿から約15キロメートル)、中央線は立川(約27キロメートル)でガクッと輸送量が減る。このあたりまで来ると「車内が空いたな」と感じるのではないだろうか。
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