東海道新幹線には「ディスコカー」があった 最短トンネルから最高時速まで8つの秘密
3:新幹線の線路を最初に走ったのは「阪急」だった
東海道新幹線が走っている「線路」で最初に営業運転を行なったのは、実は新幹線ではない。一番列車は阪急電鉄の車両だった。京都―新大阪間には阪急京都線が並行して走っている区間がある。この区間に新幹線の高架橋を建設するにあたり、近くを走っていた阪急線の高架橋もあわせて建設することになった。そこで、先に新幹線の工事を終わらせ、阪急線の工事の間、新幹線の線路を阪急電車が使うことになった。
阪急電車は新幹線と同じ標準軌(レールとレールとの距離が1435ミリメートルの線路。在来線は1067ミリメートル)だったので、新幹線の線路がそのまま使えたのだ。阪急電車は1963年4月から12月まで新幹線の線路を走った。つまり新幹線の線路を最初に走った営業用車両は新幹線ではないということになる。
4:東海道新幹線でいちばん短いトンネルは30メートル
東海道新幹線でもっとも長いトンネルは熱海―三島間にある新丹那トンネルで長さは7959メートル。一方、いちばん短いトンネルは神奈川県大和市にある第一大和トンネルで、長さはわずか30メートルだ。新幹線1両分よりもちょっと長いくらいで、一見するとトンネルに見えないが、れっきとしたトンネルだ。上には大和市と神奈川県藤沢市を結ぶ国道467号線が走っている。
5:東海道新幹線のアナウンスはプロのナレーターが行なっている
東海道新幹線の日本語アナウンスは、テレビ番組のナレーションなどで活躍している脇坂京子さんというプロのナレーターが担当している。聞き取りやすく、アクセントを間違えないようにするなど、高い技術が求められるという。脇坂さんは1987年のJR東海の発足の時期から東海道新幹線のアナウンスを担当している。アナウンス内容はずっと変わらないように思えるが、一部は毎年更新しているのだそうだ。
6:東海道新幹線の車内清掃用のほうきにはセンサーがついている
東京駅で折り返し運転をする新幹線は、ホームに停まっているほんの短い時間で、隅々まで掃除をする。かなり大忙しだがミスは許されない。そのため、車内清掃チームは水分を検知するセンサーを備えたほうきを導入した。座席が濡れていても見た目ではわからないことが多いので、このほうきができる前は、中腰になって一つひとつ手で触って、濡れているところを確かめていた。毎日、何百席も触っていると、指紋がすり切れてなくなってしまうこともあったそうだ。そこでメーカーといっしょに濡れが検知できるセンサーを開発した。これなら座席のほうきがけをしながら座席が濡れているかどうかを検知できる。濡れている場合は座席を交換するなどの対応をしている。
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