東海道新幹線には「ディスコカー」があった 最短トンネルから最高時速まで8つの秘密

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7:1編成当たりのパンタグラフの数は8基から2基へと減少

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最初の0系は12両編成でパンタグラフの数は6基あった。その後16編成になりパンタグラフの数は8基になった。100系は当初6基で、1989年に登場した「グランドひかり」からは3基に減った。300系も当初は3基だったが、1995年以降順次2基となり、500系以降は1編成2基となっている。

パンタグラフの発する風切り音は騒音の元になるので、できるだけ減らしたい。だが、電車にとって、架線からパンタグラフを通して得る電気はエネルギー源である。そこでパンタグラフを減らしながら各号車に電気を配るため、特別な高圧ケーブルを各号車に引き通している。これによりパンタグラフ同士が電気的に結ばれ、たとえ一つが架線から離れても、もう一つが架線とつながっているため、架線とパンタグラフの間で発生する放電現象(離線アーク)を大幅に抑えることができる。

8:新横浜―小田原間には17カ所のトンネルがある

東海道新幹線は他の新幹線に比べるとトンネル区間が少ないという特徴がある。全体のうちトンネル区間は13%しかない。山陽新幹線は50%を超える。東海道新幹線で最もトンネルの多い区間は新横浜―小田原間で17カ所ある。2位は静岡―掛川間の11カ所だ。小田原―熱海間のトンネルは10カ所。山がちに見える岐阜羽島―米原間は意外に少なくて5か所しかない。また、東京―品川間、三島―新富士間、浜松―豊橋間、三河安城―名古屋―岐阜羽島間、そして京都―新大阪間にはまったくトンネルがない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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