JR東日本、「自販機ビジネス」超絶成長のワケ

10年で売上高が約6割も増加!

さらに、8000台を超える同社の自販機のほぼすべてに取り付けられているSuica決済端末。これも同社にとっては大きな武器になっているという。

「Suicaの端末からデータを吸い上げ、それをラインナップや商品開発に活かしています。単にどの商品が売れるか、というだけではなくて時間帯ごとの売れ行きなど詳細なデータが得られますから、商品開発には大きなヒントになります。加えて会員制のacureメンバーズの方々にはアンケートや座談会などさまざまな形でご意見を頂き、これらをあわせて活用しているのです」(本間氏)

このSuicaを通じたマーケティングが活かされた例のひとつが、「FromAQUA」の「落ちないキャップ」だという。

Suicaデータから生まれた「落ちないキャップ」

ミネラルウォーターは出社前に職場の近くの駅などで購入する人が多いと考えていたが、データを分析すると、朝に郊外の駅で購入して移動中から飲む人が思いのほか多いことがわかった。職場のデスクで飲むならまだしも、移動中に飲むならキャップの扱いが面倒くさい。そこで、開栓してもキャップが完全に外れない「落ちないキャップ」を取り入れた。

商品開発でも同様だ。現在展開している青森産りんごを使ったジュース。今年は夏には酸味の強い品種を使い、冬には甘みの強い品種を使用している。さらにパッケージの基本色はアンケートを元に、2014年以降白から黒に変更し、高級感・本物感が伝わるようにしたところ、これも売り上げの増加につながったという。こうした利用者のニーズに対するキメの細かい対応を可能にしているのが、Suicaやacureメンバーズを通じたマーケティング力なのだ。

「自販機を小売業の売り場として捉えるならば、ただ売れ筋を並べておくだけではなくて“楽しさ”も必要ですよね。そのためにはアイテム数や種類を増やしていくことも必要ですし、商品の改廃も頻繁に行う。普通、自販機は年に2回商品の改廃をするんですが、当社では年に4回に増やしています。もちろん販売不振の商品も出てきてしまいますが、お客様に『なにか新しい商品はあるかな』と楽しんでいただくことに意味があると考えています」(本間氏)

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