JR東日本、「自販機ビジネス」超絶成長のワケ

10年で売上高が約6割も増加!

JR東日本の駅に設置されている「acure」ブランドの自販機(筆者撮影)

「かつての自販機ビジネスは設置場所を貸して賃料をいただくような、いわば不動産業に近いイメージのものでした。ですが、当社は発足以降自動販売機を小売業の店舗、お客様との接点として捉えて、楽しんで買い物をしてもらえるような仕掛けに取り組んできました」

こう話すのはJR東日本ウォータービジネスの本間雅人取締役営業本部長。この「楽しんでもらえる仕掛けのひとつ」が、自販機に並ぶ商品のラインナップだ。

同社の展開する駅自販機は「acure(アキュア)」というブランド名に統一されている。そして取り扱っている商品はコカ・コーラやサントリーなど他の飲料メーカーの売れ筋商品から、同社が企画、飲料メーカーと共同で開発したオリジナル商品「acure made(アキュアメイド)」まで実にさまざま。特保商品なども扱い、価格の幅も大きい。こうすることで、利用者に選ぶ楽しみを提供し、売り上げ増につなげているわけだ。

「駅は多くの人が行き交う場所ですから、チャンスは多いと思います。ただ、駅の自販機だからそれだけで売れるという時代ではない。多様なラインナップも含め、付加価値を与えていこうということで展開をしています」(本間氏)

自販機の置き方ひとつで変わる売れ行き

工夫をこらしているのはラインナップだけではない。自販機の置き方ひとつでも、同社の「自販機=利用客との接点」という視点が生かされている。

「自販機の置き方、われわれはロケーション改革と呼んでいるのですが、これも重要なんです。自販機は意外と商圏が狭くて、近くにないとわざわざ探してまで買いに行くという人は少ない。過去にはホームの一箇所に固めて置くということもしていましたが、今ではバラバラに置いている。その方が結果的に自販機に接していただく機会が増えるんです」(本間氏)

たとえば、ある駅のホームに5台の自販機があったとする。その5台の自販機すべてが同じ場所に固めて置いてあれば、その近くで電車を待つ人にとっては便利だが離れた場所にいる人からすれば、わざわざ自販機の元まで歩いて行って買うかというとそうでもないだろう。逆にホームのどの場所で電車を待っていても近くに自販機があれば、つい購入する人も増える…というわけだ。

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