JR東日本、「自販機ビジネス」超絶成長のワケ 10年で売上高が約6割も増加!
自販機ごとの商品のラインナップは、7割までは本社で決定し残りの3割は現場のオペレーター(同社では「teamacure(チームアキュア)」と呼ぶ)にまかせているという。これは、データだけではわからない現場の空気感を最も知るオペレーターの判断を信頼するため。さらにオペレーターのモチベーション増加にも貢献しているという。
デジタルサイネージを利用した次世代型自販機を始めとする、新しいタイプの自販機の導入もこうした利用者視点に立った仕掛けのひとつだ。同社では、次世代型自販機や駅でよくみかけるミックスブランドタイプの自販機のほかにも、さまざまな機体を展開している。ひとつが、女性を主な利用者として想定した「naturacure(ナチュラキュア)」だ。
「女性は自販機をあまり好まない傾向がありまして、データでも利用者の7割くらいが男性なんです。そこで、はしもとみおさんのデザインで機体を可愛らしくラッピングし、さらに女性が好むような商品をラインナップしたり、さらには温度設定に常温を追加したりする。こうした取り組みをした機体『naturacure』を展開したところ、女性の利用が他の自販機に比べて1割ほど増えました。また、『おもてなし自販機』と呼んでいるのですが、通常の自販機もボタンのデザインを変えたり、取り出し口を少し手前に出したり、500mlペットボトルの販売数を増やすなどした自販機も増やしています」
Suica専用機やバッテリー搭載型自販機も登場
さらに、山手線の駅を中心に展開しているのがSuica専用自販機。現金での購入ができない機体だが、そのかわり価格帯を通常の自販機と比べて5円安くしているという。Suica専用自販機ならば、売上金回収などの手間が省けてオペレーターの負担も軽減される。通常の自販機と並べておくことで、「安さ」をアピールすることもできる。
そして今秋、新しい技術を搭載した新型自販機もお目見えした。古河電池と共同で開発したバッテリー搭載型自販機だ。現在の自販機の隣にあるゴミ箱と同様のサイズのバッテリーユニットから稼働電力を得るため、電源が不要。モジュール10基からなるバッテリーは約24時間の稼働を可能にするという。
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