シェールガス革命で、大復活する日の丸造船業 中国・韓国がマネできない技術力で、再び世界のステージへ

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三菱重工は中韓がマネできない大型客船を受注

三菱重工業は先ごろ、クルーズ客船最大手の米国カーニバル社から、2隻の大型客船受注に成功した。受注総額は約1000億円とみられる。1番船は2015年3月の引渡し予定で、実に12万4500トン、3300人の乗船能力を持ち、国内で建造される客船としては過去最大のものになる。

この分野になれば、省エネ、ノイズ対策、さらには高級ホテル並みの施設といった高いテクノロジーが必要であり、中国や韓国の造船各社にはまったく作れないところなのだ。三菱重工業の大型客船製造は何と9年ぶりになるという。LNG船ブームが到来すると同時に、こうした大型客船もまたシェールガスによる燃料費低下のインパクトにより、再び活発になってくる。シェールガス革命で弾みがつく、とはまさにこのことなのだ。

「久方ぶりの大型客船の受注で、三菱重工の長崎造船所はさぞかし沸きかえっていることだろうよ。ヨコセン(同社の横浜造船所)が桜木町駅前にあったころには、酒と女で伊勢佐木町や野毛も、それはもう大変の元気印だったぜ。何でもいいから船が出入りすれば、使いぷりの良いマドロスさんが、わが国の消費を盛り上げてくれるのよ。何たって、こちとらは四方を海に囲まれている国なんだ」。

筆者の本家である横浜橋の江戸藤(ルーツは江戸時代にまでさかのぼる)で、カツ煮を肴に酒を飲んでいたら、明らかに元船員とわかるマドロス帽をかぶった70がらみの男が、スポーツ紙を読みながらニヤニヤとひとりつぶやいた言葉ではある。

泉谷渉(いずみや・わたる)
株式会社産業タイムズ社代表取締役社長。神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。1977年産業タイムズ社に入社、91年に半導体産業新聞を発刊、編集長に就任。現役最古参の半導体記者としてキャリア35年を誇る。日本半導体ベンチャー協会理事としても活躍。
近著に『シェールガス革命で世界が激変する』(共著、東洋経済新報社)、主な単著に『ニッポンの素材力』、『ニッポンの環境エネルギー力』、『1秒でわかる!半導体業界ハンドブック』(以上、同)、『日の丸半導体は死なず』(光文社)、『100年企業~だけど最先端、しかも世界一』(亜紀書房)などがある。

 

泉谷 渉 ジャーナリスト

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いずみや わたる / Wataru Izumiya

株式会社産業タイムズ社代表取締役社長。神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。1977年産業タイムズ社に入社、1991年に半導体産業新聞を発刊、編集長に就任。現役最古参の半導体記者としてキャリア35年を誇る。日本半導体ベンチャー協会理事としても活躍。主な著書に『これが半導体の全貌だ!』『これがディスプレイの全貌だ!』(以上、かんき出版)、『ニッポンの素材力』『ニッポンの環境エネルギー力』『1秒でわかる!半導体業界ハンドブック』『1秒でわかる!先端素材業界ハンドブック』『素材は国家なり(共著)』(以上、東洋経済新報社)、『日の丸半導体は死なず』(光文社)、『100年企業、だけど最先端、しかも世界一』(亜紀書房)などがある。

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