シェールガス革命で、大復活する日の丸造船業

中国・韓国がマネできない技術力で、再び世界のステージへ

LNG運搬船関連技術で、世界トップレベルにある日本

加えて、LNG運搬船の建造も多数計画され、米国、アジア、中東までの輸送コストも大きく下がってくる公算だ。LNG船の需要拡大は、日本企業にも多くのメリットをもたらす。LNGタンカーに関する日本技術は世界トップレベルにある。マイナス約160℃の超低温技術は、川崎重工業やIHIの独壇場といっても良い。貯槽タンクや液化装置でも日本は強く、日揮や千代田化工建設のお家芸だ。

低迷してきた日本の造船業ではあるが、LNG運搬船をテコに復活をかける状況が整ってきた。全世界で運行されるLNG運搬船の数は、現状で359隻であるが、今後60~70隻の需要が生まれそうだ。14万立方メートルクラスのLNG運搬船の価格は1隻約200億円であり、とんでもないビジネスが新たに生まれる。

こうした需要増を見越して今治造船と三菱重工業が合弁会社を設立し、年間8隻以上の製造を計画している。また、ジャパンマリンユナイテッドはLNG運搬船を新たな収益源とし、3、4年後に売り上げを約4割伸ばすとしている。三井造船は天然ガスを使った船舶エンジンに強く、この技術を横展開し、レバノンでのディーゼル発電設備の受注に成功した。また、川崎重工業はLNGを燃料とするタンカーの製造に強く、これはアルミ材の精密加工であるが、まさに日本の技術の見せどころなのだ。

かつて国民作家の吉川英治(故人)は、少年時代に横浜港の船がらみの雑役に従事しており、「かんかん虫は唄う」という有名な小説を書いている。以前、横浜、神戸、長崎などで活発であった造船業は、日本の得意技であったが、中国、韓国勢に押しまくられて一気凋落の憂き目にあってきた。しかして、海洋王国日本がシェールガス革命を追い風に、再びその勇姿を世界に示そうとしているのだ。

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