中古車買い取り“最強”、ガリバーの課題 小売りの新業態を続々と立ち上げるワケ
中古車買い取りで国内トップを走ってきたガリバーが、小売りに力を売れる背景には収益源の多様化により、収益力を高め、環境の変化に対応する態勢を築いておきたいという狙いがある。
自動車買い取りを主軸に業容拡大を図ってきたガリバーの国内店舗数は420店(フランチャイズチェーン含む、2013年3月末)に上る。全国展開するネットワークをいかして買い取り台数を拡大し、オークション市場や中古車販売店向けに車を卸売りすることで業績を伸ばしてきた。
卸売り依存の弱みが露呈
ところが、ここにきて卸売り依存の弱みが見えてきた。最たる例が昨年、新車販売を押し上げたエコカー補助金の影響だ。補助金効果で販売が過熱した新車販売店では拡販を狙う施策として、実質的な値引きにつながる中古車買い取り価格の引き上げを相次いで実施した。
その結果、市中の取引価格が上がったことで、ガリバーのような中古車買い取り専門店でも買い取り価格を引き上げて対応せざるを得ない事態となり、1台当たり粗利が急速に悪化。実際に補助金の影響を受けた前上期(12年2~8月)の営業利益は前年同期比で6割減となった。
この卸売り依存体質を変革するための一手が、「WOW!TOWN」や「リベラーラ」、軽専門などの中古車小売り強化だ。消費者に直接売る小売りは、卸売りよりも利幅が大きい。加えて、安定的なストック型ビジネスを育てていくという狙いもある。
これまでガリバーは中古車の卸売り、すなわちユーザーから車を買い取って、オークション向けに売却するフロー型ビジネスが中心だった。ほとんどのユーザーと1度きりの取引となるので安定性が乏しい。
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