目下進む、箱根駅伝「最後の駆け引き」の裏側 本番まで約6週間、監督・選手たちの正念場

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指揮官は日々のトレーニング、箱根予選会や全日本大学駅伝の結果、直前の選考会などから総合的に判断して、「16名」を決めるわけだが、どんな選び方をしても、全員を納得させるのは難しい。なかには、選手を公平に選ぶために、選考レースや重要度の高いトレーニングの順位から選手にポイントを与える「ポイント制」を導入して、チーム内の“順位”を明確にしている大学もあるほどだ。

箱根出場校は10名ほどのスポーツ推薦枠を持つ学校が大半。一般入試を経て入部する選手も多数おり、各校合計で40~70名の長距離部員が箱根を目指している。しかし、エントリーできるのは16名のみ。第一関門でその多くが“落選”することになる。

チームのレベルが上がるほど、指揮官たちは、誰を外すのか「苦渋の選択」となる。そして、外れた選手は急激にモチベーションを下げるため、監督たちは外れた選手へのケアも欠かすことができない。最後のチャンスを失った4年生には、サポート役になってもらうように、ねぎらいの言葉が必要になるだろう。3年生以下には次なる目標を明確にして、気持ちを引き締めさせる。いずれにしても、登録メンバー16人だけが浮いてしまうようなチームだと、正月の歓喜は訪れない。

16人から「10人」への道

12月10日に「エントリー」を済ますと、ここから先はふるいにかけるような練習は行わない。選手たちは1月2日・3日にピークがくるように肉体を研ぎ澄ませていく。そして、「10人」のレギュラーをつかむべく、さまざまな課題をクリアしていかなければいけない。

体脂肪の少ない体は風邪を引きやすいため、体調を崩さないように細心の注意が必要だ。数日間寝込むような場合は、体力が落ちるため、エース級でもないかぎり、本番での起用はない。うがいと手洗いはどの大学も徹底している。

11月後半から12月前半は新聞、雑誌などのメディア取材の依頼が増える時期でもある。注目校や人気選手には取材依頼が殺到するため、そのすべてを個別対応するのは難しい。近年はエントリー選手全員が登壇する「記者会見」を開くことで、さまざまなメディアに対応する大学が増えている。

筆者は近年、毎年12月21日に発売される『箱根駅伝公式ガイドブック』に寄稿しているが、監督や選手に取材するのは、11月下旬から12月上旬になる。本番までまだ1カ月近くもあるため、その後にチーム状況が変わることも少なくない。

12月後半になるとレースがほとんどないこともあり、最終的な“選考”はレース10日ほど前のポイント練習でジャッジすることになる。多くの大学が実施しているのが、ロードでの16km走だ。1区以外は「単独走」になるので、自分でペースを作り、ひとりでも確実に走れる選手でないと指揮官たちは怖くて起用できない。そのため、16km走も単独走(時差スタートでひとりずつ走る)で行う大学もある。

最後の10日間は「調整」に費やすことになり、追い込んだ練習はしない。そのため、ここで故障や体調を崩す選手がいると、監督も見抜けないことがある。選手の立場になると、箱根を走りたいがために、「この程度の痛みなら大丈夫だろう」という気持ちと、「チームに迷惑をかけるわけにはいかない。監督に打ち明けよう」と心情が激しく揺れ動くことなる。

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