上から目線の人と、体育会的なノリが嫌い ユナイテッドアローズ 重松会長の好き嫌い(下)

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楠木:これはヒジョーに僭越な話ですが、僕は重松さんを拝見していて、好き嫌いというか体質が僕とわりと近いのではと思っていたのですが、今日、あらためてお聞きして、抽象的なところでは実際にかなり近いものを感じ、勝手に親近感を感じています。

ところが、一方の僕はというと、そういう好き嫌いでやっているがゆえに、実際の商売や経営はやったとしてもうまくいかないタイプだと自分では思っています。重松さんのような好き嫌いや体質の人は、普通であれば、会社の経営とかはうまくいかないような気がするのです。にもかかわらず、経営者としてこれまでに何度も修羅場を乗り越えて、「企業としてのセレクトショップ」を作り上げ、大きな成功を実現した。この辺、僕にとっては不思議に思うのです。

重松:社会的に正しいことをするという話と、重なる部分があるかもしれません。セレクトショップというのは、あまり公共性があるものではないですよね。ライフスタイルというか、趣味にかかわる分野ですので。でも、それに公共性を持たせることが、自分が社会に対して果たす役目だと思っている部分があるのです。社会的責任を果たすこと自体が面白い。

楠木:今は会長という立場ですが、どんなことを考えておられるのですか。

重松:経営の細かい部分は社長の仕事ですので、ユナイテッドアローズは永続的に社会に何が残せるか、永続性のあるものとはどんなものなのか、といったことを考えています。

楠木:非常に趣味性の強い仕事にもかかわらず、そういったことまでを考えるに至るというのは興味深いです。

重松:すべて自然にやっているだけなんですよ。

楠木:接客をされた経験はあるのですか。

重松:若い頃はやりました。人と話すのが苦手だったので、熱心なほうではありませんでしたけど(笑)。私自身、店に入ってすぐに声をかけられるのが苦手なので、当社の販売員には、お客様とは適度な距離感を持つようにという教育をしてきたのです。でも、最近は、接客がちょっと冷たいという声を聞くようになったので、早めにお声がけをするようにと指導するようになりました。

楠木:私もどちらかというと、すぐに声をかけられるのは苦手ですね。

重松:最初に勤めたアパレルメーカーでは営業をしていたので、マーケティンクのために、なるべく店頭の販売員の人と話すようにしていました。特に、いちばん多く洋服を売っている優秀な販売員です。やはり、彼らや彼女たちがいちばん情報を持っているのです。多くのお客様と接しているので、なぜ今この服が売れているのか、次のシーズンはどんな服が売れるのかといったことは、優秀な販売員に聞けばだいたいわかったのです。

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