「安倍トラ相場」は本当にやって来るのか 日本株と共和党政権の「相性」を検証する
ここで注意しておきたいのが、政権1年目の最初の2カ月間である(1月と2月)。過去9回の共和党政権(2期務めた場合には2回として計算)では、1年目に株価が堅調に推移したレーガン政権2期目とブッシュ(父)のケースを見ると、就任後すぐの2月までのパフォーマンスもプラスで推移していた。逆に言うと、それ以外の7回のケースでは、すべてマイナスとなり、そのまま1年目はさえない動きになっている。
従って、これをもとに推論すれば、トランプ政権が就任後最初の2カ月間を上手く乗り切り、株式市場がそれを好感すれば、年末まで上昇基調を維持し、そのまま4年間、「強い米国株が示現する可能性がある」ことになる。現時点で市場が想定しているような、財政出動が米国景気に好影響を与えることができれば、その可能性も十分にあるだろう。
就任2年目以降はドル安でも、日本株は円高圧力克服へ?
一方、ドル円についてはどうだろうか。同様に変動相場制移行の共和党政権下の平均的な動きを調べてみると、政権1年目は4.4%上昇するものの、2年目は3.7%下落、3年目は7.8%下落、4年目は2.8%下落となっている。つまり、政権1年目はドル高・円安になるものの、2年目以降はドル安・円高になりやすいことになる。
現在はトランプ政権が行うとみられているインフラ投資の拡大への期待感などからドル高につながっているものの、いずれは財政悪化がドル安につながり、ひいては円高につながると考えるのが自然であろう。
直近の父ブッシュとブッシュ大統領の計12年では、財政が悪化し、ドルが下落している。今回も財政出動が行き過ぎると、同様の結果になる可能性がある。こうなると、日本株への影響も気になるところである。
では、「共和党政権下」での日経平均株価はどうだろうか。動向を調べてみると、興味深い。政権1年目は12.7%上昇し、2年目は4.3%の下落となるが、3年目は14%の上昇、4年目は14.6%の上昇となっている。
この傾向を好意的にとらえるのであれば、1年目は円安を背景に日本株が上昇する一方、2年目は円高を背景に売られる。しかし、3年目以降は円高圧力を克服し、4年目まで上昇する動きが想定される。
過去のドル円および日経平均の下落パターンから推察すると、ドル円は2019年から2020年までの円高基調が続く可能性がある一方、日経平均株価の調整は2018年中に終了する計算になる。この調整パターンから見ても、ドル円と日経平均の調整期間のずれが見事に合致している。
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