「トランプリスク」は米大統領選後は続かない もし相場が大きく荒れても短期間で終了へ
まず先週の日米の株式相場を振り返ってみよう。11月2日の日経平均株価307円安は、8月3日以来、約3カ月ぶりの大きさだった。さらに休日を挟んだ4日の229円の連続安で、予想外に強かった10月の月間上昇幅の55%が失われた。NYダウも3カ月ぶりの7営業日連続安となっている。そうなった理由は明白で、「トランプリスク」の台頭である。
大波乱があるならいつ?「トランプリスク」は長引くのか
今まで、支持率のポイント差は思ったよりは一方的ではなかったが、市場関係者は圧倒的にクリントン有利で投資姿勢を継続して来た。ファンド筋のホンネも、「接戦」はマスコミの「売らんかな」の演出で、クリントン陣営も圧勝予想で緩む内部の、引き締めのために利用している感があった。
もちろん、6月のブレグジット(英国のEU離脱)の例もあるので「何が起きるか分からない」警戒感はあった。だが、ファンドのポジションは圧倒的にクリントン勝利で固まっていた。
しかしオバマ大統領自らのFBI批判等、ここへ来てのクリントン陣営の慌てぶりを見て、「接戦」どころかトランプ有利が現実のものになって来た。
いわゆる「スイングステート」(揺れる州)と称されるフロリダ、オハイオ、ペンシルバニア、バージニア、ネバダ、コロラドの選挙人の数は、順に29人、18人、20人、13人、6人、9人で合計95人。当初はこれを全部トランプ候補が取っても、クリントン勝利は変わらないと思われていたので、ファンドは「クリントンで100%」のポジションとなっていた。
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