「安倍トラ相場」は本当にやって来るのか 日本株と共和党政権の「相性」を検証する
米大統領選挙後の市場はきわめて堅調に推移している。18日の日本株は日経平均株価が3日続伸、一時は1万8000円台を約10カ月ぶりに回復した。引き続き、トランプ次期大統領への期待が膨らんでいるようだ。
戦後の共和党政権の「株価上昇率」はどれくらいか?
トランプ氏は減税・インフラ投資の拡大を訴えて大統領選に勝利したこともあり、国内投資が増えるとの見方が市場に広がっている。そのため、それに関連するいわゆる「トランプ銘柄」に買いが集中している。また、オバマ政権の「レガシー」でもある金融規制についても緩和する意向を示しており、これが金融関連銘柄の株価を押し上げている。
また、TPP(環太平洋経済連携協定)を否定しており、一部には保護主義的な通商政策により海外との摩擦が高まるとの懸念も聞かれる。しかし、少なくとも選挙戦勝利後は、そうした懸念よりも、まずは期待先行で動いている。その結果がダウ平均株価の連日の過去最高値更新である。
一方、財政悪化懸念から米長期金利は急伸し、一時2.3%台を付けるに至った。その影響でドルが買われ、ドル指数は11カ月ぶりに100台を付けた。これまでドル高は、米国株の重石になってきたが、それも関係がないといわんばかりの株価の上昇だ。それほど現在の市場はトランプ政権に期待しているということなのだろう。
今回の大統領選では、共和党が勝利した。そこで、共和党政権における主要市場の過去の傾向をおさらいしておこう。
第2次世界大戦後の共和党政権下におけるダウ平均株価は、政権1年目は1.2%下落するものの、2年目は10.3%上昇、3年目は17.4%上昇、4年目は0.8%上昇となっている(該当政権の平均値)。
米国株は歴史的に上昇基調が続いているため、数値だけを見れば極めて強い動きにみえる。だが実は、民主党政権との比較ではきわめて悪い成績である。
つまり、共和党政権では、民主党政権時ほどの株価上昇は期待できないというのが、過去の歴史である。
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