日本にとって、TPPは「無用の長物」に変質した

米国抜きという「悲劇的な代替案」に現実味

11月22日、ペルーのフェレイロス貿易相は、トランプ次期大統領が来年1月の就任初日にTPP脱退を通告すると表明したことを受け、TPPに関する新たな話し合いを提案した。リマのAPECサミットで19日撮影(ロイター/KEVIN LAMARQUE)

米ホワイトハウスはオバマ政権がTPP(環太平洋経済連携協定)の批准を議会に求めず、次の政権に委ねると発表した。米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏の勝利により、TPPの棺(ひつぎ)には最後のくぎが打たれた格好だ。

これまでも米国以外の参加11カ国が、米国抜きの「後退型TPP」を模索してきた経緯がある。しかし米国の要求を満たすのがTPP本来の目的だったため、中身が大きく変わってしまうおそれがあり、議論は進まなかった。

ニュージーランドは選挙前から「米国抜き」を検討

米大統領選の前にそうした事態を予期していた国もある。ニュージーランドのティム・グローサー駐米大使は10月半ば、米国参加を想定しない「悲劇的なプランB(代替計画)」を考えていると述べていた。

グローサー氏は貿易相としてTPP交渉に参画した経験がある。しかし当時はヒラリー・クリントン氏の勝利が濃厚とされ、政権移譲で空白が生じる「レームダック期間」に米議会がTPPを承認する公算は小さいとみられていた。

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