必要条件「ガリ勉」を満たしたら、次は?

スタンフォードでは、仕組みを作って合理的に褒める(前編)

「ガリ勉」、それは研究道への入場券にすぎない

僕らの(少なくとも博士課程での)目標は、独創的な研究を自分でできる人材を育てることだ。

そう、大学院の教育では、オリジナルな研究をできるように学生を育てるのが教員の課題になる。ただ、クリエイティブなことをするにしても、経済学の分野でそれをやるからには最低限の条件というものがあって、「論理的にキチンと考えられること」「基本的な分析道具」は、まず間違いなく必須だ。

しかも、ほかのソフトな能力(まさに「クリエイティビティ」のようなもの)はとにかく測るのが難しい。だから、選考の段階では成績、特に数学系の科目の成績が、つまり「ガリ勉」的に必要条件を満たせているかどうかが、重視されることになるのだ。

クリエイティブな能力をアピールするために、選考前からしっかりと研究に取り組み、その成果、たとえば論文の草稿を送って判断材料にしてもらってはどうか、という意見も出てきそうだ。そして、それはもっともな意見だ。けれど実際には、たとえ送ったとしても、選考委員はほとんど誰も見ない、なんて現実があったりする。

研究者を育てるはずの大学院の選考で、応募者の研究を考慮しないというのは、何ともおかしな話だ……が、これも限られた人数で選考を行わなければならない、大学院入試のリアルな一面なのだ(選考委員の多い大学ならまた違ってくるのかもしれない)。

前回の記事での「求む、ガリ勉!」という説明に加えて、こんなことを言えば、「大学院の選考を受ける前に自分の研究をするのは無意味である」と思う方も出てくるかもしれない。

しかし実際には、自分の研究を早くからしている人は合格しやすいというのが僕の実感だ。

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