民主主義から遠ざかるイラン、トルコの前途

2つの国から学べる3つの教訓

民主主義の世界では国民の声が最も重要

イランでは4年前、地位を退くアフマディーネジャード元大統領の再選に抗議するため、テヘランの街に何百人もの若い国民が集まった。これに対して政府は、実弾で彼らを銃撃し、抗議参加者の一斉検挙や投獄、度重なる拷問によって抗議を沈静化した。が、これがきっかけで、イラン人に加え、社会的、政治的権利を主張する中東や北アフリカの数百万人の若いアラブ人たちは、自らを弱体化させることになった。

当初、エルドアン首相はその群衆のヒーローだった。2011年9月、エジプト、チュニジア、リビアを巡回し歓迎を受けた。自らの「公正発展党」は、経済成長、反汚職主義、自由選挙を行うとうたっていた。

が、今やエルドアン政府は、ジャーナリストを標的にしたり、トルコ経済を阻害するとして投資家を糾弾したりしていることから、若いアラブ人が対抗するようになった。エルドアン首相はデモ抗議者たちを悪者扱いするだけでなく、彼らを治療したり、かくまったりする医療従事者やホテル経営者を追跡した。

トルコはイランとは異なるが、両国の発展を比較することで、中東と北アフリカに生かせる教訓が明らかになる。民主主義の世界では、人々の声が最も重要だということだ。

もちろん、人々はつねに一つにまとまるというものではない。彼らの忠誠心は変化しやすいし、抗議のために団結するときもあれば、統制が取れていないときもある。にもかかわらず、暴力的な弾圧の可能性を恐れることなく、知る権利を獲得する意志によって、多くの人々が立ち上がり、自国民や世界に対して、何かが間違っていることを主張する。

ハメネイ師とイランにおけるイスラム革命の守護者たちは09年の嵐を乗り切ることができたが、合法的な力の外観は崩壊していた。やや逆説的ではあるが、ロウハニ氏の選出によって彼らの政治的な力は強化されるだろう。また、エルドアン首相は抗議勢力を鎮圧できるかもしれないが、彼は次の選挙までにはかなり弱体化しているだろう。

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