民主主義から遠ざかるイラン、トルコの前途

2つの国から学べる3つの教訓

イランとトルコの近況から学ぶ第2の教訓は、中東と北アフリカの政府は神権政治から管理された民主主義に移行すべきということである。どの国もまだ完全な自由民主主義とはいえない。つまり、自由かつ公正な選挙を行う政治体制を持たず、すべての国民の市民権が憲法で保護されていないのだ。

イランは長い間、米国の外交政策アナリスト、ファリード・ザカリア氏が呼ぶところの「非自由主義的民主主義」にある。一方、トルコは真の自由主義的民主主義に向かっていたが、現在は逆戻りしている。

最後の教訓は、政府が人々からの批判に耳を傾け、自らを更生できるかを確かめることである。エルドアン首相は、自分に対するトルコ国民からの批判に憤慨しているようだ。

同首相が、デモの口火を切ったゲジ公園の爆破計画に関する抗議者たちとの取引を終えた後、私のツイッターのフォロワーの一人は、「3週間もあれば十分だろうから、デモ抗議者は直ちに家に帰るべきだ」とツイートした。が、何に対して十分だというのだろう。

11年に起きたウォール街占拠運動は収束するのに2カ月を要した。ニューヨーク市当局は、最終的に抗議を鎮圧したが、主として近隣住民による保健衛生上の理由や関連の苦情のためであった。抗議行動の初日、ブルームバーグ市長は「人々には抗議する権利があり、もし彼らが抗議を希望する場合、そのための場所を喜んで提供する」と発言した。

一方シリアでは、人々が立ち上がると銃撃を受け、武器を持つと巧みに支配された。イランもトルコもそのような状況には至っていない。が、平和的抗議や政治的交渉、選挙によって、現在の指導者たちが採用しているアプローチよりもはるかに優れた方法が、両国やその他の国々にもたらされるだろう。

(撮影:ロイター/アフロ =週刊東洋経済2013年7月6日

(C)Project Syndicate

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