ニトリ、27連勝記録に黄信号 急激な円安で環境一変、「安さ追求」は限界か

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「27期連続増収増益は何が何でも達成したい」。似鳥社長の悲願こそが、戦略の背景にある。これまでの26期連続増収増益は、確かにすさまじい。平成バブルの終焉、金融危機、ITバブル崩壊、リーマン・ショックなど、幾度の難局をすべて乗り切ってきたからだ。ニトリにとって、収益拡大を続けるという“常勝”は、もはや至上命題と化している。

それだけにニトリは、急激な円安の進行という逆風下で、自社の経営理念でもあるニトリ憲法を仮改正し、大胆な商品戦略を採ってでも、連勝記録が途絶えてしまう事態を避けたいのだろう。

商品切り替え率を上げると…

ただ、コトはそう単純でもない。商品の切り替え率を大きく上げるということは、SPAであるニトリの生産・在庫管理、販売の現場に大きな負荷をかける可能性がある。各業務は従来以上に複雑になるかもしれない。その結果、たとえば想定以上の在庫を抱えてしまうというような事態が起こった場合、円安とは別の収益圧迫要因ともなりかねないリスクもはらんでいる。

昨年11月に、ニトリが値下げ宣言を行ったときは、歴史的な円高局面だった。あれからたったの半年。あの強烈な追い風は今、かつてない勢いの逆風となってニトリの周りに吹き荒れている。

秦 卓弥 東洋経済 記者

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はた たくや / Takuya Hata

流通、石油、総合商社などの産業担当記者を経て、2016年から『週刊東洋経済』編集部。「ザ・商社 次の一手」、「中国VS.日本 50番勝負」などの大型特集を手掛ける。19年から『会社四季報 プロ500』副編集長。21年から再び『週刊東洋経済』編集部。24年から8年振りの記者職に復帰、現在は自動車・重工業界を担当。アジア、マーケット、エネルギーに関心。

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